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カテゴリ:将棋
第2回 将棋電王戦 第4局 Puella α vs 塚田泰明九段
はうん。今日こそリアルタイムで見たことを後悔(^^;。つまらなさとおもしろさが同時にあって、一日潰れた上にぐったりしてしまった。明日の準備、何もしてないよ。 塚田九段はソフトの序盤の拙さを挙げていた。実際第三局までのソフトは人間らしい序盤ではなく、ちょっと無理っぽい強引なもの。第二局の7七玉とか無茶だなぁと。今回は序盤は相矢倉でプロ同士の序盤の様。塚田九段は事前準備でまったり指していれば序盤のうちにソフトが暴発するという手応えを感じていた様だが、本局は暴発がなく、むしろ受けに回った塚田九段に疑問があった様だ。不利を認めた塚田九段は一転入玉に懸ける。これも事前のテストで入玉なら不利でも最後までなんとか勝負になるという経験があったからだそうだ。ところが相入玉で持将棋(引き分け)の場合、駒に点数をつけて24点以上ないと引き分けにならないというルールがある。大駒を取られた塚田九段には24点確保できる見込みはなく、入玉を狙いながらひたすら粘る。そしてソフトには入玉に弱点がある。これは機械学習でプロの棋譜を学習する故に、数の少ない持将棋については学習が足りないからだ。そしてもうひとつ理由がある。普通の将棋は相手の玉を詰ますゲーム。入玉の将棋は駒を確保するゲーム。つまりゲームの質が変わってしまうのだ。ソフトはどこから入玉のゲームか判断がつかない為、指し手の評価バランスが微妙になるらしい。持将棋なら駒得重視にすれば良いが、それだけだと駒を取るだけ取った挙げ句に自玉が詰まされてしまう可能性がある。どこでどれだけバランスを変えるのか、判断が難しい。そんなわけで本局も入玉模様になると謎の指し手になってしまい、大差だった得点が削られ、最後は塚田九段に24点確保されてしまった。手数は230。普通の将棋が120手前後なので、だいたい倍の手数だ。大ざっぱに言って80手前後で既に駒損の上に入玉狙いで、あとは持将棋独特の展開に突入した感じ。 冒頭でつまらなさとおもしろさが同時にあったと書いたけど、つまらなかったのは勿論前半。いい様にソフトに序盤を有利に進められてしまった。ソフトは序盤が苦手なんて嘘だ(笑)。一方、終盤の謎の指し手は会場でも笑いを誘っていた。圧倒的に強くなったはずのソフトが、神谷七段の言葉を借りれば「赤ちゃんの様な」脆さも見せた瞬間だった。でも笑えはしたけど、本当は面白くないね。持将棋は本来の将棋とは別物だと思う。相手の玉を詰ませてこそ本来の将棋だ。その点で本来の将棋の部分でプロ棋士は負けていた。自ら「序盤が拙い」と言っていた相手に序盤負けしたのだから、試合に勝って勝負に負けたという感じだろう。塚田九段の二段構えのソフト対策は良かったし、糞粘りも人間らしいもので感動した人もいたけど。でも妙手が出たとかいう対局じゃなかったからねぇ。 今回の引き分けで人間側の勝ち越しはなくなった。しかし最終戦への期待は繋がった。最終戦のプロの相手は700台近いPCだ。果たしてどこまでソフトは強いのか、A級8段のトッププロがどこまで戦えるのか、これはまた来週もお出掛けできないかもしれない。 ちなみに、ニコニコ生放送への来場者は28万→45万→42万→37万と、負けてから順調に数を減らしている。2、3局に負けたのは痛いね。勝っていればもっともっと盛り上がったのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.04.13 22:07:27
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