理学部特別講義5れぽーと その2
<今後の展望として> これまで、RNAiという多細胞真核生物に極めて普遍的な生命現象の解明がモデル動物を中心に行なわれてきたが、人類を含んだ哺乳類へRNAi現象を技術王ゆする研究が急速に進んできており、医療や産業など釈迦に直sつ還元できる可能性が高まってきていることから非常に意義深い分野となっている。生体マウスを用いたRNAiによる遺伝子治療モデル実験がすでに報告されているように、この技術が人体に利用できるかはまだ未知な部分が多いが、がんや遺伝病、ウィルス感染症などのように核酸配列上に特異的な標的を想定することが出来る疾患の場合、RNAi技術は遺伝子治療に応用することが期待できる。また、研究面においても培養細胞でと気的な遺伝子発現抑制を容易に行なえるため、これまで機能不明であった遺伝子の機能を解明していく上で非常に有用な技術となっており、遺伝子機能の解析を手軽に行えるRNAiはポストゲノム時代のおいて非常に重要な位置を占めている。 塩基長 生合成 機能 Argonauteタンパク質siRNA 21~23 Dicer(DCL4) 標的mRNAの切断を介した遺伝子発現抑制 hAGO2(AGO1)miRNA 21~23 Dicer 標的mRNAの翻訳抑制及び不安定化(polyA短縮)植物では標的mRNAの切断を導く hAGO1,hAGO2,hAGO3,hAGO4(AGO1,AGO4)piRNA 24~32 Unknown レトロトランスポゾンの発現抑制 Mili,Miwi,Miwi2,Riwi,HiwirasiRNA 24~32 (DCL3) レトロトランスポゾンの発現抑制 Piwi,Aub(AGO4)ta-siRNA 20~22 (DCL4) 標的mRNAの切断を介した遺伝子発現抑制 (AGO1,AGO7)nat-siRNA 21,24 (DCL1,2) 標的mRNAの切断を介した遺伝子発現抑制 Unknownhc-siRNA 21~24 (DCL3) DNAメチル化クロマチン修飾 (AGO4)※様々な生物種で同定されている機能性小分子RNA分子※()内のタンパク質:植物由来<参考資料>・PNE vol.51 No.16 2006年3月増刊 RNAと生命([編集]中村義一)・遺伝子医学MOOK4 RNAと創薬([編集]中村義一)・PNE vol.52 No.3 2007 Mar ・細胞工学 vol.24 No.4 2005 現実化するRNAi創薬・実験医学 vol.22 No.4 2004 Mar RNAiのサイエンス・実験医学 Vol.25 No.6 2007 Apr small RNAの新機能など