写真左から、大井哲也 富永果捺子 榎本真美 前川健生(文中敬称略)
Photo Album
Photo: ©Shevaibra, courtesy of the artist
Χカイレパートリー劇場
あえて、小さなオペラ『魔笛』2024
2024年8月18日
シアターカイ(両国)
2024年8月16日(金)~18日(日)
毎夏恒例(第17回)2008年以来、毎夏上演。
4時間に及ぶモーツアルトのオペラ『魔笛』を70分に凝縮
3歳の方から大人と一緒に愉しんでいただける本格オペラ
作曲 : W・A・モーツァルト
編曲 : 天沼裕子(ドイツ・ヴュルツブルグ音楽大学オペラ科終身教授)
台本 : 入市翔
演出 : 大井哲也
演奏:アンサンブルΧ
ピアノ 岩上恵理加
フルート 赤木香菜子(18日)
ファゴット 喜多無為
18日14時
タミーノ前川健生
パミーナ 榎本真美
パパゲーノ/ザラストロ 大井哲也
夜の女王/パパゲーナ 富永果捺子
チケット
椅子席:1,000円
大人さじき:800円
子供さじき:500円
問い合わせシアターΧ
***
両国のシアターカイで毎年行われている
あえて小さな魔笛
今年で17回めだったそうです。
今までなかなかタイミングが合わず
今年初めて鑑賞しました。
座長の大井さんの熱意と熱演が光るミニ魔笛
たった4人の歌手で凝縮した魔笛を演じます。
驚きでした。
今回歌手は大井さん以外全てオーディションで選ばれた新しいキャストだったとのこと。
タミーノの前川さんの強靭な輝く強い声がすばらしかったです。
いわゆるユーゲントリッヒャー・ヘルデンテノールを思わせる声で
密度の濃い声で
ドイツ語の発音も美しく
タミーノにピッタリでした。
夜の女王とパパゲーナは富永さん
背が高い可愛らしいアイドル顔の美女で
強い声のリリックコロラトゥーラソプラノ
大発見でした。
大井さんはパパゲーノとザラストロ 弁者を掛け持ちし
芸達者なところを見せました。
美声のリリック・バリトンですばらしいお声でした。
パミーナ榎本真美さんはリリックソプラノで
美しくパワフルでした。
写真左から、大井哲也 富永果捺子 喜多無為 岩上恵理加 赤木香菜子 榎本真美 前川健生(文中敬称略)
アンサンブルはフルートとファゴットとピアノ
天沼さんによる編曲で
魔笛の音楽を使いつつ別世界になっているシーンもあって驚きでした。
内容は子供も楽しめる日本語台詞で
ドイツ語歌唱というこだわりの構成。
出演者の関係者で、N響の某主要メンバーがいらしてたのも驚きでした。
終演後のアフターミーティングの様子
終演後アフターミーティングという反省会⁉️があるのも驚きでした。
(以下はメモに基づく抜粋)
主催者:いつも公演後は(このように)お客様の質問を受け付けるミーティング、反省会を行っている。この「あえて小さな魔笛」は2008年以来毎年恒例で今回、17回目の公演です。
(質疑応答あって)
赤木香菜子(フルート):今年で14年目。夏はこの『魔笛』が恒例になっている。指揮者がいないので舞台を一緒に作っていく感じ。パパゲーノの鈴(グロッケン)はピッコロで表現した。魔法の音を出すので毎回工夫して自分の音が舞台に反映されているのが嬉しい。
喜多無為(ファゴット):毎回演奏ごとに出てくる音は違う。楽しいアンサンブルだった。コンサートを終わった後はコンサートの前だ、という言葉がある。いいものを出せばいいものになると幸せに感じた。
岩上恵理加(ピアノ):今年初めての参加だった。管楽器の二人と合わせた時、世界が広がった。大井先生に音楽に入る間とかテンポ感とかを色々アドバイスいただいた。パミーナが悲しみに堕ちる時は落差を見せていくとか。音楽づくりが勉強になった。
主催者:今回出演者は大井さん以外新しいキャストだった。
榎本真美(パミーナ):ここのステージは5,6年前に見に来て、今回オーディションがあるのを知って応募した。パミーナはいい役だと思った。アンサンブルが(歌い手の)呼吸を感じてくれて気持ちよく演奏できた。
富永果捺子(夜の女王/パパゲーナ):夜女ゲーナです(笑) 夜女はここ最近一番歌っている。今回は台風の日から3日間連続で歌った。今日は満席で感無量だった。
前川健生(タミーノ):僕は5公演中3公演に出演した。プロとして10年歌っているが、モーツァルトは駆け出しの頃に歌っていた。最近は重いものを歌っていてモーツァルトを歌うイメージがなくなっていた。でも声が重くなったわけではないので今回モーツァルトを新鮮な気持ちで歌った。『魔笛』は、実は全面的に暗く難しい内容なのでこのパッケージはよいと思った。今後も御贔屓いただきたい。
大井哲也(パパゲーノ/ザラストロ):今日は…お客様が…よかったです!あとシアターカイに感謝しております。アンサンブルカイにも。今年はオーディションだった。毎回(客に)受ける部分が違うのが舞台芸術だと思う。モーツァルトはアーリアとレチタティーヴォ(で構成される)。(ここは)お芝居する部分を大事にしている劇場なので、アーリアまで美しく高めて行き、アーリアに突入した時に美しい歌になると思う。この劇場は勉強になるので、(芸術家の)卵の方はオーディションがありますので。ありがとうございました。
主催者あいさつ:芸術家のための劇場を作りたかった。オペラを見に行くには高いお金がかかる。(ここは)本当にやりたいことをやれて見に来れる値段でやりたいと。(劇場は)おととし30周年を迎えた。(あえて、小さなオペラ『魔笛』は)大井さんにずっとやってもらっている。死ぬ前にオペラを見てみたかったという年寄りもいる。シアターカイはオール千円にして来やすい値段でやってきた。今年は17回目。続けていく。
ありがとうございます😊
お疲れ様でした。