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カテゴリ:震災関連
つなみ 被災地のこども80人の作文集 文藝春秋8月臨時増刊号
表紙の中央に絵。その絵の周りを囲んでいる子供たちの笑顔や真剣な眼差しの写真。 中央の絵の右側は津波の部分。その青い色の中に車や人がいる。多分、この光景を見たんだろうなあ、と思う。 この絵を見ていると、「目をとじれば平和が見える―旧ユーゴスラビアの子どもたちの描く戦争」という本のことを思い出す。 1994年頃に出た本で、自分も購入しましたが、あの本の中の絵もつらい光景の絵がたくさんあった。
巻頭で塩野七生が言及している3枚の写真。そのうちの1枚は塩野の文章の上の写真だろう。あとの2枚の写真は? 多分自分も既に見ているのだろうが、あらためて見てみたい。 子供らしい作文、一生懸命な作文、つたない作文、背伸びしている作文もあれば、「あー、この文章上手いなあ」と感心してしまうものも。 特にP.122下段から始まる気仙沼中学校2年、三束香織さんの「唯一残ったのは、命」。 丁寧な文章ながら、体言止めが良いリズムになっていて読みやすい。文章の上手さももちろんだが、内容も深い。 P.123中段から赤ペンで傍線を引きしおりを挟んだ。多分、この文章を自分はこの先の人生で何度も繰り返し読むと思う。 さて、ところどころで涙ぐみながら読んだこの文藝春秋8月臨時増刊号、気になる点がひとつ。 作文を書いた80人の子供たちの出身地は名取市、仙台市若林区、東松島市、石巻市、女川町、南三陸町、気仙沼市、陸前高田市、釜石市、大槌町。 そう、福島県の子供たちの作文が一切ないのだ。もちろん福島県の沿岸部でも津波の被害は大変なものだったし、死者もたくさん出ている。 おそらく原発事故も絡めた福島編は別に出るんだろうと思う。まさか悪意で福島の子供たちを除外した、ということもないだろうから。 福島の子供たちが、地震や津波に加えて、まったく目に見えない、しかも千万とか億とかとんでもない単位数の放射線でどれだけ心身が傷つきながら過ごしてきたか、3.11以降の我々にはきちんと知っておく、という責務があります。 文藝春秋さん、 福島の子供たち編、なるべく早く出して下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年07月15日 14時39分39秒
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