|
テーマ:本のある暮らし(3318)
カテゴリ:この本がお勧め!
自分は読書を中断するとき、手近にあったものを栞(しおり)として挟んでおきます。
読書を再開してもそのしおりは外しません。わざと挟んだまま。 大抵は他愛のないもの、レシートとか期限切れのクーポン券とかですよ。 何年か後に、さもなくば何十年か後、次に読み返すときにそれが出てくるのが面白いわけです。 「へえ、森永ラブのクーポンが出てきたよ」とかね。「リーベンデールの引換券だあ」とかね。 前に伊藤博文の千円札の新券が出てきたときは複雑な気持ちでした。 「うひゃ、嬉しい」というより「オレは馬鹿か」みたいな感じ。他の本に万札挟んだりしていないだろうな、自分。 自分が購入した古本からもたまーに前の所有者が挟んだままにしていたものが出てくることがあります。 BOOKOFFなんかは徹底にそういうの取っちゃうのでつまらないっすな。 書き込みや栞、あるいは栞代わりの何か。それは前の所有者から託された手紙です。 基本、そのままにしておきます。 自分が購入した古本からこんなの↓が出てきたことがありますよ。 ほほう、東京大学! 我が母校、、、のはずはない。残念ながら自分にとって夢のまた夢、みたいな存在でしたわ。 この歪んで斜めになった罫線、昭和20年代後半から30年代前半の印刷物でしょうか。 実はこの「履修届A・B」が挟まっていた本は昭和29年に出版された桜井和市先生の「ドイツ廣文典」第21版なんです。 (桜井先生は高名なドイツ語学者。三島由紀夫の恩師で学習院の院長もされておられます) で、購入者の書き込みによると同じ年の11月9日に東大協組にて購入。小石川の清思寮にいた方です。名前も書かれておりました。 しかしグーグルやフェイスブックでその名前を検索したりするのは止めておきましょう。 本に挟まっていたもの、あるいは書き込まれていたこと、それはただその本に添えられていただけのメッセージです。 2013年の現実の世界とは関係ありませんわな。自分はそう思います。 こちら、ある古書店の店主が書かれた「痕跡本」についての本です。大変興味深く読みました。
にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月18日 12時04分17秒
コメント(0) | コメントを書く
[この本がお勧め!] カテゴリの最新記事
|