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カテゴリ:この本がお勧め!
池田邦彦先生が週刊モーニングに連載していた「カレチ」が先ごろ完結しました。 決してハッピーエンドではありません。 昭和40年頃から話が進んで国鉄解体で終わりますので、、、実際の移行期にもたくさんの自殺者が出ましたが物語の中でも自殺者が出ます。 さらに言えば「当時こんなことしたら事故扱いだったはず」というようなストーリーの無理もある。 別の巻ですが大阪で積むはずの新聞を姫路の踏切で列車を停めて積み込む話とか(第14話)。 でも、それでもこの漫画には再読、再々読、、、いやそれどころか、ずっと読み継がれること間違いなしの重みがあります。 この漫画には現場が描かれていますから。巨大過ぎて複雑怪奇で政治に左右されっぱなしの現場ではありましたが。 あとこの漫画、描かれている機関車、客車、電車のチョイスが絶妙。さらに描き方も結構リアルなんですよ。 上の第5巻の表紙のEF66は40番台(右が切れていますが)、つまり1985年以降、下関にあった機関車のはずです。ヘッドマークも円形ではなく富士山型になってますね。 1巻~4巻の表紙もなかなか味わい深いんです。 第1巻:ED74と20系客車
第2巻:481系ヒゲなしボンネット車と471系冷房車(475系かも)
第3巻:クハネ581(583でないところがシブい)と20系緩急車
第4巻:DD54の40号機(?)、窓枠はHゴム。左は「急行だいせん」のスロ54かな
上野駅の頭端式ホームに発着する列車でのエピソードも読みたいな、と思っていたのですが、荻野カレチはそもそも大阪車掌区の所属。 その後、助役補佐に昇進しましたがJRに移らずに国鉄を退職、この漫画も終わってしまいました。 自分も子供の頃、国鉄の駅員に不愉快な目にあった記憶があります。その一方で人情味溢れる現場の人たちがいたのも知っている。 この漫画ではネカフェ難民やら脱法ハウスやらなかった時代、自分の職務にひたすら一生懸命頑張れた幸せな時代が描かれています。 鉄道にまったく興味もない人でも十分に楽しめる、読み応えのある漫画です。是非一度読んでみて下さい。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年08月27日 12時28分45秒
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