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2009年06月17日
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カテゴリ:創作
思い切りお酒を飲んで、手を振って、友人とわかれた。
終電も週バスもとっくに出ていて、タクシーをつかまえなければ家に帰れない。
国道はもう閑散としていて、カーステレオを爆音でつけているやんちゃな車や大きなトラックばかりがぶんぶんと走っている。
(困ったな。)
タクシーがつかまりそうな場所をさがして川を渡る。それでもみつからない。家はどんどん遠くなる。
(もういっそ、歩いて帰ることにしたらよかったな。)
家から遠くなる方へ、遠くなる方へ歩いた結果、道もわからなくなって、どう引き返したらいいかもわからない。
5人くらいのサラリーマンが酔っ払って固まりになっているところに行きあった。
嫌だな、と思う間もなく、彼らは喧嘩を始めた。
進むも戻るも目立ちそうで立ち尽くしていると、町の警備団の男性たちがわらわらと喧嘩するサラリーマンたちに割って入る。一人の青年が動けなくなっている私に気がついて、目隠しするようにして、背中にまわしてかばってくれた。
「今のうちにどこか行きなさい。」
どこへ?
一瞬躊躇したのが伝わったのか、青年は、
「もしかして、帰る方法がないの?」
と訪ねてきた。
7の親切と3の面倒くささが伝わってきたから、私は4の警戒と6の見え張りで首を振った。
「どうしても帰れないなら、俺達、この先の農協の職員だから。寄ってくれたらいい。」
そう言って、青年は喧嘩の仲裁に戻った。
私はとんとんと夜の道を歩いた。

夜の道を歩いているうちに、昼の公園についた。
レンガ張りで、緑の芝生と赤黄色の花々にあふれ、噴水がきらきらと光って噴き落ちていた。
こどもが走って遊んでいた。
笑う顔をして声をあげているのに、何も聞こえなかった。
足元を見ても影はなく、早足になっても足音もしない。
はっきりと夢を見ていることに気がついた。
私は今、狭間に迷っている。
どうやって、目を覚ませばいい?
走り始めた。
昼の公園はどこまでも続く。





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最終更新日  2009年06月17日 07時25分49秒
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