雨続きのなかで久しぶりに晴れた水曜日。最近は利賀など県西部にいってましたが、久しぶりに立山方面にリサーチに行くことにしました。
アルペンルートも今週で終わり。室堂にはすでに積雪がすごいらしい!(スキーやスノボができる!)ま、でも山ではなく山麓へ・・・
今まで行ったことがなくてぜひ行きたかった場所、それが「
まんだら遊苑」です。立山博物館の野外施設なのですが・・これが最高におもしろいところでした!しかも入園料400円(しかも博物館本体などと3種類セットだと650円!)それもカラー写真の解説カード付き。
まんだら遊苑の説明の前に・・・
立山には、平安時代以来、修験道の山でもあったわけですが、立山信仰という山岳信仰があったのです。それは立山の中に地獄があるという地獄信仰(爆裂火口から吹き上げる水蒸気の地獄谷や、切り立った剣岳、血の池などがあるので)をもつのが特色です。
江戸時代、立山山麓の芦峅寺と岩峅寺には、数多くの宿坊があり、ここから全国に「立山登山に来なさいよ、立山に登れば地獄と浄土が体験できて救われますよ」と勧誘に回ったのです。護符(お守り札)や薬などの販促グッズを持っていったのと同時に、立山の地獄、浄土などの様子を絵で解説するためのツールが
、「立山曼荼羅」といわれる巻物なのです。曼荼羅はには、恐ろしい地獄の様子、浄土の様子、女人禁制の立山で女性が救われるための行事
「布橋灌頂会」(目隠しして橋を渡って立山に上ったことにするという行事)の様子が絵で書かれていて、全国に勧誘に回っている宗徒がこれらの絵を見せながら、立山登山を勧誘したのです。全国から立山には年間6000人もの人が参詣登山に訪れたといいます。そして、芦峅寺と岩峅寺の宿坊に泊まり、登山に向かったのです。
その、立山曼荼羅の世界、「地獄と浄土」を五感で体感できるというのが、「まんだら遊苑」なのでございました(笑)
まずは、立山曼荼羅の地獄を感じるための「地界」。恐ろしい音や光、で地獄を感じる「閻魔堂」や「餓鬼の針山」、自分の声が恐ろしい声に変換されてしまう井戸の地唸鬼、「地獄のにおい」がする水窟鬼、眺めが良いけど高所恐怖症の人には怖い精霊橋など、まさに地獄テーマパーク!それもお化け屋敷のようなちゃっちいものではなく、これはもう現代アート空間です。
地獄のあとは、山頂への登山を疑似体験できるという散歩道。春夏には花畑になっているようですが、今の季節は紅葉とその向こうにそびえる立山の雪景色が素晴らしい眺めになっています!
次に到達するのが、浄土をイメージした空間「天界」。これが、すばらしい!「天界窟」という空間には、さまざまなアーティストによる、現代アートが個室に展示されていて、それぞれにいいにおいがしたりして、色、光、香などで天界を感じるという~!いやぁ、これ、現代アート好きにはなかなかのものです!常設の現代アート美術館みたいです。東京芸大プロデュースらしいですから~!
そのあと、「天界奏楽堂」という、竹、石、木などをつかった8種類の「天の楽器」をたたいたりできるところ、そのあとは大きなドームにヒーリング音楽と映像と音の振動が流れ、瞑想できる空間になってるのです!!!いつまでも寝ていたいね~。解説写真集によると「人間の内的世界、記憶の底にある宇宙を呼び覚まそうとする空間」なのだそうです!
空の上をイメージしたガラス張りの空間には美しい万華鏡のようなのぞき窓もあり、さらに雲に見立てたネットの上も歩いてみることができます(ちょっと足痛いけど・・)
最後は暗いトンネルの中を通る「闇の道」。産道をイメージしたとも、立山曼荼羅の「布橋灌頂会」をイメージした空間ともいいますが、コレを通ることで現実世界に戻るのです。色、香り、足元の感覚などがいろいろ変化してまさに「五感で楽しむ」。
・・・面白かったです。たった400円で地獄から浄土まで体験できて。。。
お勧めスポットです。今度子どもたちを連れて行ってみようっと。
あ、でも残念ながら12月から3月まではおやすみです。(雪が降るから)