日本は、政治、経済、軍事はもとより、ファッションにいたるまでアメリカの影響を受けているが、影響を受けていないもののひとつが宗教。アメリカはキリスト教の国である。一応、政経分離が建前ではあるが。このキリスト教国、アメリカで、現在のブッシュ政権は、キリスト教原理主義達の多大なサポートを受けている。
このキリスト教原理主義の考えの中に、ハルマゲドン主義というのがある。カトリックと違って、ほとんどのキリスト教原理主義者たちは、新約聖書の最後にある「ヨハネによる黙示録」の予言が実際に起こると信じている。「ヨハネによる黙示録」の中に登場するハルマゲドンの戦いは、世界最終戦争だと解釈している。その中では核戦争も十分に想定している。
最後に救われる者達は、地球がハルマゲドンの戦い(世界最終戦争)の最中、天国移送(ラプチャー)され難を逃れる。そして新しい天と地が創られてから、また地球に下りてきて新しい生活を始めると信じている。だから、その戦争の最中に核兵器が使われようが構わない。京都議定書も関係ないという立場である。
レーガン時代にはソ連は「悪の帝国」と呼ばれ、伝道師パット・ロバートソンなどによれば、ソ連に対して神の裁きが下されるといわれた(ハルマゲドンの暗示)。今度はブッシュ政権になって、「悪の枢軸」と呼ばれたイラクに、神の裁きが下されるというのであろうか。次はイラン、北朝鮮と。
キリスト教原理主義者は、核戦争による世界最終戦争(ハルマゲドンの戦い)を希求している。その後に新しい天と地が彼らに用意されるわけだから。早ければ早いほど良いのである。アメリカの人口の3分の1もの人達がキリスト教原理主義者だといわれる。この人達が、ネオコンと共に、ブッシュ政権があちこちで始める戦争を、強力に応援している。
どれだけ、このキリスト教原理主義者達のことが、日本のマスコミで伝えられているだろうか。我々は、日頃マスコミで伝えられるような、経済や文化、音楽やファッションなどのことばかりでなく、キリスト教原理主義とネオコンについても知らなければ、今のアメリカ、アメリカ人を理解することはできない。
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