小室シンドローム
池田信夫氏のブログ に、マーケティングに必要以上に頼る小室商法に関するエントリーがありました。以下にその一部を引用します。『出版界でも最近、「小室シンドローム」が目立つ。本屋へ行くと勝間和代本や茂木健一郎本が山のように積まれ、右から左までどの雑誌を見ても佐藤優氏の連載が出ている。こういう一極集中は、出版でも音楽でも最近とくに顕著になってきた。それは印刷や録音のコストが低くなり、固定費のほとんどが宣伝になってきたためだろう。宣伝には規模の経済があるので、多くの著者(アーチスト)に宣伝費を分散して数万部売るより、特定の著者に大量に宣伝費を投入して百万部売ったほうが効率がいい。こうなると洗剤や即席ラーメンと同じで中身はどうでもよく、売れる商品がいい商品である。しかし洗剤の売り上げは宣伝費に比例するが、本や音楽の限界効用は急速に低下するので、あまり同じようなものばかり出していると飽きられ、ある日突然、売れなくなる。小室ファミリーのCDはブックオフでは250円らしいが、こうなると二度と元には戻らない。彼も企画力の貧困な音楽産業の犠牲者なのではないか。』この主張には、一部に池田氏の主観が入っているため、全面的に賛成はできませんが、「書籍の一極集中化」は的を得ていると思います。私は佐藤優氏のファンですが、最近の原稿には以前のようなパワーがなくなっているのは確かですし…「小室シンドローム」を他山の石として、地道な販売手法に戻っていったほうが、長い目で見れば、出版業界にプラスだと思いますが、出版社サイドは「飽きられたらクビをすげ替ればいい」程度の認識のような気がしてなりません。