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パクス・ジャポニカ Vol.2

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2010/08/11
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テーマ:史跡めぐり(508)
連日ニュースで信じられない暑さが報じられる群馬県館林市、その館林にあるのが「分福茶釜」のルーツとして知られる茂林寺(もりんじ)です。


分福茶釜と言えば、茶釜を背負ったタヌキが綱渡りをしている絵を覚えていますが、「はて、どんな話だったか…」


結局どんな話だか思い出せないまま、茂林寺の参道に到着しました。

参道にはお店が並び、大小のタヌキの焼物がずらりと置かれていました。
(関西では見慣れた置物ですが、明らかに信楽焼です)

そして茂林寺の総門までやってきました。
茂林寺総門.JPG

総門をくぐると、さらに参道の両側にタヌキの像が並んでいました。
茂林寺参道.JPG
茶釜を背負ったタヌキもいますが、近くで見てみると結構グロテスクです。


タヌキとの関わりがよくわからなかったものの、茂林寺の歴史は古いようで、総門のさらに奥にある山門を見ると、古刹であることがわかりました。
茂林寺山門.JPG
山門(赤門)
江戸時代の1690年に創建されたものです。

本堂も古く、江戸時代中期の1790年に改築されたものが現存していました。
茂林寺本堂.JPG
本堂


本堂の中を拝観することもでき(有料)、順路に従って中へと進んでいきました。

茂林寺本堂狸剥製.JPG
こちらはリアルにタヌキの剥製が並んでいます。

そしてガラス戸の向こうに茶釜が置いてありました。
茂林寺分福茶釜.JPG
お寺の解説によると、この茶釜は守鶴という僧が愛用していた茶釜だそうです。

守鶴は1426年に、茂林寺の開山である大林正通禅師に従って、伊香保から茂林寺にやってきました。

ある時茂林寺で千人法会が開かれることになったのですが、その時に大勢の客を賄う湯釜が必要となり、この時守鶴がどこからか持ってきたのがこの茶釜だそうです。
この茶釜はいくら湯を汲んでも尽きることがないため、守鶴は自らこの茶釜を、福を分け与える「紫金銅分福茶釜」と名付けました。

以上がこの「分福茶釜」の由来なのですが、タヌキとどういう関係があるのか、さっぱりわかりませんでした。


タヌキと茶釜の関係はさておき、茂林寺の本堂内には、他にも貴重な資料が展示してありました。
茂林寺徳川家光・吉宗朱印状.JPG
3代徳川家光、8代徳川吉宗から与えられた朱印状

茂林寺御柏原天皇綸旨.JPG
後柏原天皇(在位1500年~1526年)の綸旨


結局タヌキの話はわからずじまいのまま茂林寺を後にすると、
「日本でここだけ まゆ玉うどん」の看板が目に入ってきました。

「まゆ玉うどん?」とは思いながら、ものは試しと入ってみました。
茂林寺もり陣繭玉うどん.JPG
「もり陣」の「まゆ玉うどん」
一見すると釜玉うどんですが、うどんには蚕の繭が入っているそうです。
(ご主人がわざわざ繭を持ってきてくれました)
さすがにシルク入りのうどんだけあって、艶々とした滑らかさがありました。


ところで、分福茶釜とタヌキの話ですが、茂林寺から東武伊勢崎線の茂林寺前駅に至る間、看板に物語がイラスト入りで描かれていました。

ある時貧しい男が罠にかかったタヌキを見付たのですが、可哀そうに思って放してやることにしました。
恩に思ったタヌキは、その夜に男のところを訪ね、茶釜に化けて自分を売ってお金にするように薦めました。
男は茂林寺の和尚さんにタヌキの化けた茶釜を売ったのですが、茶釜を火にかけると熱くてたまらず、タヌキは半分だけ元の姿に戻ったそうです。

タヌキはそのままの姿で男のところへ戻り、茶釜を背負ったタヌキのまま、見世物興業を行って稼ぎ、男に恩返しをしたとのことでした。

何となく思い出したのですが、そんな美談だったとは・・・





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最終更新日  2014/12/24 08:50:34 PM
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