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パクス・ジャポニカ Vol.2

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2018/09/28
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テーマ:城跡めぐり(1258)
群馬県からは沼田城名胡桃城・岩櫃城が「続日本100名城」に選ばれており、いずれも真田氏ゆかりの城で、「上州真田三名城」とも呼ばれています。

本丸に立つ幟

大河ドラマ「真田丸」のオープニングにも登場する岩櫃城は、草刈正雄さん演じる真田昌幸による縄張です。

大河ドラマ放映中の平成28年4月にオープンした、「岩櫃城址観光案内所」にある城郭模型

戦国城郭の本丸となると、山頂部分が平らな削平地となっている印象ですが、岩櫃城に限っては本丸も一筋縄では行かないようです。

本丸そのものも、何段かの曲輪で構成されているようでした。

本丸の背後には岩櫃山があり、その岩櫃山に向かって尾根道をたどってみました。
城郭では搦手方向になるため、さすがに城郭の遺構はないだろうと思っていたところ、稜線の斜面北側には、桝形虎口の跡がありました。

本丸北桝形虎口
近世城郭でいうところの「丸の内」、城郭の遺構もさすがにここまでだと思っていました。

一応「尾根道」を辿って岩櫃山に向かっていると、「尾根道」と「沢通り」の分岐点である五合目までやって来ました。


さすがにここまで来ると城郭の遺構はないと思っていたら、稜線から延びる竪堀の跡がありました。

城郭には築城主の性格がよく表れるものですが、真田昌幸の周到さには恐れ入ります。

北側の「沢通り」に稜線をトラバースすると、こちらの斜面にも竪堀の跡が残っていました。

道を横切って竪堀が下へ続いています。

途中には櫓台のような横矢の掛かった土塁跡などもありました。

土塁跡

稜線の北側には沢が流れており、ここが岩櫃城の「水の手」になります。

城攻めにおいて、「水の手」を断つのは武田信玄の常套手段ですが、武田氏の家臣であった真田昌幸にしてみれば、ここが岩櫃城の生命線だとみていたのでしょうか。
そう考えると、搦手の防御が堅固なのも納得できる話です。


水の手にある「水曲輪」跡


沢通りの下側から見た竪堀
上は中城の曲輪まで続いています。

沢通りを下りて北側斜面を下から見上げると、とてつもない急斜面に見えました。

この斜面の先には二の丸や本丸があるのですが、さすがにここを攻め登るのは無謀としか言いようがありません。


岩櫃城の築城は古く、鎌倉時代の初期に吾妻太郎助亮によって築城されたと言われています。
城郭の規模は上州最大で、後に岩殿城(甲斐国)九能城(駿河国)と並び、「武田領内の三堅城」と呼ばれていたそうです。

1563年に武田信玄が上州を攻めた時、岩櫃城攻めを命じられたのが真田幸隆(昌幸の父)でした。
真田幸隆は岩櫃城を落城させ、岩櫃城の城代となったのですが、1574年に真田幸隆は病死してしまいます。

真田幸隆の後には、長男である真田信綱が岩櫃城の城主となりましたが、長男の真田信綱と次男の真田昌輝が長篠の戦いで戦死したため、真田氏の家督を継いで城主となったのが真田昌幸です。

その後は真田昌幸の長男である真田信幸の支配となり、真田信繁(幸村)も幼少期を岩櫃城で過ごしていました。

豊臣秀吉によって1590年に小田原の北条氏が滅亡すると、岩櫃城は真田氏の本拠地となった沼田城の支城となり、やがて1615年の徳川家康による一国一城令で、この城も廃城となっています。

日本城郭協会「続日本100名城」


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最終更新日  2018/10/30 11:49:16 PM
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