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カテゴリ:芸術・スポーツ
「マダガスカル島にはアタオコロイノナという神さまみたいなものがいるが、これは原住民の言葉で『何だか変てこりんなもの』というくらいの意味である。私の友人にはこのアタオコロイノナの息吹きのかかったにちがいない男がかなりいる・・・」
思えば高校に入学するにあたり、読書感想文が課題として与えられました。 それまでまともに文学小説など読んだことがなく、文庫本と言えば星新一のSFショートショートくらいしかないので、全く想像もつかなかったことがあります。 そこで人に相談したところ、「ヘルマン=ヘッセの『車輪の下』がいい」と薦められました。 早速文庫本を買ってきて読んだものの、入学を辞退してしまうのではないのかと思うほど重い内容でした。 (一応進学校と呼ばれる高校に入ったので・・・) 「車輪の下」は何とか読み終えて感想文も書けそうだったのですが、入学早々に「学校批判」と思われるのもどうかと思い、「車輪の下」はやめることにしました。 それでも入学式まで日がなく、わからないままに本屋で文庫本コーナーを物色していると、聞き覚えのある「北杜夫」の名前に当たりました。 (星新一のエッセイには友人として登場していた人ですが、「星新一以上に奇特な人」くらいのイメージしかありませんでした) 船に限らず乗り物は好きだったので、「どくとるマンボウ航海記」の題名が付された文庫本を手に取り、目にした書き出しが上の記述です。 しばらく読んでいたのですが、いつの間にか手にとってレジへと向かっていました。 家に帰って読み始めると止まらなくなり、いつの間にか読み終えていたような気がします。 もはや時間もないので、「航海記」で感想文を書くしかない状況になってしまったのですが、感想文の方は駄作以下だったように思います。 これまで本は数多く買ってきましたが、今だに手元にある1冊が「どくとるマンボウ航海記」です。 マンボウ先生のご冥福をお祈りします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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