2734032 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

パクス・ジャポニカ Vol.2

パクス・ジャポニカ Vol.2

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

たけB777

たけB777

日記/記事の投稿

カテゴリ

フリーページ

コメント新着

たけB777@ Re:お初天神(露天神社)(大阪・大阪市)(02/20) 掛川城の記事、興味深く拝見しました。 棋…
ヴェルデ0205@ Re:お初天神(露天神社)(大阪・大阪市)(02/20) お久しぶりです。 コメントありがとうござ…
たけB777@ Re[1]:烏山城(下野国)~その1(02/04) araiguma321さんへ 与一温泉ってあるので…
araiguma321@ Re:烏山城(下野国)~その1(02/04) 参考にさせて頂いてます。 ありがとうござ…
背番号のないエース0829@ Re:首里城(琉球王国)~その2(12/10) 「沖縄summitから20年」に、上記の内容に…
たけB777@ Re[1]:巾着田曼殊沙華まつり(埼玉・日高市)(09/27) 灰色ウサギさんへ 満開の時期に行かれたの…

お気に入りブログ

高畠町 ~ 旧高畠駅 New! よっけ3さん

☆彡五島茶 & とっぺ… New! Belgische_Pralinesさん

「しかたらむかな」… New! ヴェルデ0205さん

サツマイモ 月の卵1030さん

南足柄絵手紙展 矢… マキ816さん

池田氏払田分家庭園… Traveler Kazuさん

2024.10.19.19 araiguma321さん

日々の出来事など しなの1707さん
京都観光をご案内し… スマイルフェイス8971さん
swang blog swangさん
2014/06/15
XML
テーマ:史跡めぐり(508)
矢倉岳の山頂を後にする時、「はて、どこに降りようか」と考えていました。
矢倉沢まで来た道を戻るのがわかりやすいのですが、予想外に面白くない道だったことと、スズメバチの巣もあるので、真っ先に却下となりました。

そこで次に思いついたオプションは、足柄峠から金時山を経由して箱根外輪山の内側に降りるルートでした。

体力的な心配はあるものの、まだ正午前とあって時間的には十分余裕があり、さらに足柄峠から先はよく知っている道でもあります。
お気に入りの箱根をブラブラしながら帰るのは魅力的なルートですが、この天候では金時山で相当な混雑が予想され、金時山の登りと下りにかなりの時間がかかるため、ちょっと二の足を踏むところでした。


いずれにしても足柄峠に降り、足柄城で富士山頂付近の雲が晴れるのを待って、だめならば足柄古道(矢倉沢往還)を通って地蔵堂に降り、夕日の滝でも見ながら帰るのが現実的な選択でした。

富士見スポットとしては足柄城がお気に入りで、約20km先にある富士山頂から裾野までの全容を望むことができます。(芝生に寝転がって富士見ができるのがよろしいかと)



矢倉岳から足柄峠付近まで降りて来たところには、足柄万葉公園があります。
足柄万葉公園の入口からは新松田までのバス便があるので、何度か利用したことはありますが、万葉公園をじっくり見て歩いたことはありませんでした。

足柄万葉公園矢倉岳.JPG
足柄万葉公園から見た矢倉岳


すでに律令時代に開通されていた東海道ですが、江戸時代に箱根ルートが整備されるまで、足柄峠を越えるルートが東海道となっていました。
(「坂東」と言えば箱根の坂のことかと思いますが、実は足柄坂のことで、足柄関から東が「坂東」です)


西国から東国に赴任する役人や、さらには東国から九州に赴く防人など、万葉集には足柄峠を越える悲哀が詠まれており、足柄万葉公園にはその歌碑が並んでいました。

足柄万葉公園歌碑 (1).JPG
「足柄の 御坂に立して 袖ふらば 家なる妹は 清に見るかも」、東国から九州に赴く防人の歌です。
解説板によると「足柄の神の御坂に立って、ふるさとに向かって別れを告げるとき、家に残してきた妻は、私が力のかぎり袖を振っているのを、はっきりと見ているだろうか」
当時の東国の人にとって、奈良の都もさることながら、九州は異国も異国だったことと思います。


足柄万葉公園歌碑 (2).JPG
「足柄の 吾を可鶏山の 穀(かづ)の木の 吾をかづさねも 穀割かずとも」
意訳「あなたがそれほどまでに思ってくださるならば、早く私を誘って下さい。可鶏山にある『かづのき』など割っていないで」
可鶏(かけ)山とは、背後にちょこっと見える矢倉岳のことだとされています。
竹の輪を空中に投げて、それを矢で射るのが矢倉岳の民間行事で、若い男女がそれを楽しんだそうです。


足柄万葉公園歌碑(3).JPG
「足柄の 御坂畏み 曇夜の 吾が下這えを 言出づるかも」
意訳は「足柄の神の御坂を越えて行く時、峠の神に手向けして畏まるあまり、恋人の名前までつい口にしてしまった」です。

万葉集の時代はまだ平仮名が使われておらず、全て漢字の当て字で書かれています。
それにしても赤裸々な感情がよく表現されていて、1,000年以上も昔の話ながら、現代に通じる微笑ましさがあります。


足柄万葉公園歌碑 (4).JPG
「足柄の 箱根の峯呂の 和草の 花つ妻なれや 紐解かず寝む」

意訳「足柄の箱根の丘の上に生えている和草、その草の上に二人で寝て、どうして紐を解かないことがあろうか。あなたは花の妻ではないか」
和草とはハコネシダのことだとされていますが、なんとも表現がストレート過ぎて思わず笑ってしまいます。


足柄峠から続く足柄万葉公園のある尾根は、静岡県(小山町)と神奈川県(南足柄市)の県境でもあります。

古くは駿河国と相模国の国境でもあり、戦国時代には小田原の北条氏が足柄城に続く砦を築いて、駿河からの武田信玄の侵攻に備えたとされています。


足柄万葉公園で奈良時代の人々に思いを馳せながらも、意識は戦国時代に向いていました。

足柄万葉公園土塁.JPG
何気ない盛り土ですが、自然に出来たものとは思われず、これは土塁だと思われます。

足柄万葉公園堀切.JPG
これは堀切の跡のようにも見えます。

戦国山城を数多く見てきたせいか、人の手が加わった物には敏感になっているのが悲しい性です。


関連の記事
矢倉岳→こちら
足柄城→こちら
足柄関→こちら
足柄古道→こちら





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022/02/02 11:49:50 AM
コメント(0) | コメントを書く
[城跡と史跡(神奈川編)] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X