【甲種・乙種危険物取扱者受験対策 第2回】
今回で、甲種・乙種危険物取扱者受験対策は終わりです。全2回分を完璧に勉強すれば、合格はかなり近づいてきたと言ってもいいでしょう。がんばって勉強してください。《第2回 3類・5類・6類受験対策》【3類のポイント】【性質】・空気、水に接触すると極めて危険。(発火・爆発・可燃性ガス)・ほとんどが自然発火性と禁水性の両方を併せ持つ。【火災予防】・自然発火性の物は、空気に触れさせない。・禁水性の物は、水との接触を避ける。・容器の破損、腐食に注意し、密栓する。【消火方法】・乾燥砂がベスト。・黄リンは、水で消火・禁水性物質は、粉末消火剤で消火。(ジエチル亜鉛)乙種3類で重要なのは、多くのものが自然発火性と禁水性の両方を併せもっていて、非常に取り扱いが難しいということです。砂で消火するのがベストです。それらを踏まえて、それぞれの危険物の性質を覚えていきます。【カリウム】 銀白色軟らかい金属 比重0.86 水で水素 吸湿性と潮解性 砂で消火 【ナトリウム】 銀白色軟らかい金属 比重0.97 水で水素 黄色い炎 砂で消火【アルキルアルミニウム】 無色透明液体 水で爆発 自然発火 不活性ガス中貯蔵 砂で消火【アルキルリチウム】 水で爆発的に反応 自然発火 不活性ガスの中で貯蔵 砂で消火【黄リン】 淡黄色固体 比重1.8 2硫化炭素に溶ける 水中で貯蔵 水で消火【リチウム】 銀白色軟らかい金属 比重0.534(一番軽い) 水で水素 砂で消火【カルシウム】 銀白色軟らかい金属 融点以上で酸化カルシウム 水で水素 砂で消火【ジエチル亜鉛】 無色液体 水でエタンガス 自然発火 窒息消火(粉末、二酸化炭素)【水素化ナトリウム】 無色(灰色)結晶 水で水素 砂で消火【水素化リチウム】 白色結晶 水で水素を発生 砂で消火【リン化カルシウム】 暗赤色固体 比重1以上 水でリン化水素(有毒、可燃性) 砂で消火【炭化カルシウム】 白色結晶 比重1以上 水でアセチレンと水酸化カルシウム 砂で消火【炭化アルミニウム】 白色結晶 1400℃でメタンガス 水でメタンガス 砂で消火乙種3類のポイントは、水と反応すると可燃性ガスを発生する物が多く、また、自然発火する物が多いということです。容器は密栓する必要があります。消火は砂がオールマイティに使えますが、黄リンは水、ジエチル亜鉛は窒息消火です。【5類のポイント】【性質】・比重が1より大きい固体または液体。・自己燃焼性があり、自然発火する。・燃焼速度が速く、加熱・衝撃により爆発する危険がある。・ほとんどが水に溶けない。【火災予防】・火気・衝撃は避ける。・風通しの良い、冷暗所で保存する。【消火方法】・大量の水で消火する。・極めて燃焼速度が早く、消火が困難なものもある。【有機過酸化物】・過酸化ベンゾイル 無味無臭白色結晶 有機溶剤溶ける 100℃で分解 乾燥状態は危険・メチルエチルケトン 無色透明油状液体 ジエチルエーテルに溶ける 40℃で分解 容器通気性 バーオーキサイト【硝酸エステル類】・硝酸メチル 無色透明液体 アルコール溶ける 引火点15℃ 芳香性がある・硝酸エチル 無色透明液体 水、アルコール溶ける 引火点10℃ 芳香性がある。・ニトログリセリン 油状液体 アルコール,有機溶剤溶ける 凍結させない 甘味有毒・ニトロセルロース 無味無臭無定形固体 アセトン溶ける エチルアルコール,水で湿面安定剤添加【ニトロ化合物】・ピクリン酸 黄色結晶 アルコール,ジエチルエーテル溶ける 乾燥状態は危険 苦味有毒・トリニトロトルエン 淡黄色結晶 アルコール,ジエチルエーテル溶ける 乾燥状態は危険 芳香甘味【ニトロソ化合物】・ジニトロペンタ 淡黄色粉末 水,ベンゼン,アルコールなど溶ける 酸との接触さける メチレントトラミン【ジアゾ化合物】 ・ジアゾジニトロ 黄色結晶 アセトン溶ける 消火は困難 フェノール【政令で定めるもの】・アジ化ナトリウム 無色板状結晶 水溶ける 注水不可 砂で消火 有毒乙種5類の危険物は、爆発的に燃焼するものが多いので、大量の水で消火ができるが、消火が困難な物が多いのがポイントです。水で消火できない物もあります。火気、加熱、衝撃は、厳禁です。【6類のポイント】【性質】・ほとんどが無色の液体で、不燃性物質である。・比重が1以上で、非常に酸化力が強い。・皮膚を腐食し、有毒な蒸気を発生する。【火災予防】・火気、直射日光を避ける。・可燃物・有機物との接触を避ける。・耐酸性の容器を使用し、密栓する。【消火方法】・大量の水で消火するが、危険物の飛散に注意。(水を使用出来ない物もある。)・消火に際して、防毒マスクを着用。・皮膚を保護する。乙種6類で重要なのは、酸化力が強力であること、それ自体は不燃性であること、消化は、水がベストという3点です。(三フッ化臭素、五フッ化臭素は、粉末・砂がベスト。禁水。)それらを踏まえて、それぞれの危険物の性質を覚えていきます。【過塩素酸】 無色液体 比重1以上 水中に滴下で爆発 有機物接触で発火 皮膚を腐食 【過酸化水素水】 無色液体 比重1以上 弱酸性 安定剤にリン酸・尿酸 漂白剤・消毒剤【硝酸】 無色又は赤色液体 比重1以上 強酸性 加熱で酸素と猛毒の二酸化窒素を発生【三フッ化臭素】 無色液体 比重1以上 水と激しく反応し猛毒のフッ化水素を発生 禁水【五フッ化臭素】 無色液体 比重1以上 ほとんどの元素と反応 猛毒 禁水 この5物質の特徴を完璧に覚えれば、8割がたは完璧だと思います。乙種6類の危険物は、腐食性、猛毒性があり、水より重いというのが特徴で、注水消火がベストと覚えるといいと思います。覚えなくてはならない、危険物が沢山ありますが、一つ一つ確実に覚えて行って下さいね。皆さんの合格を心よりお祈り致します。では、勉強がんばってください♪