テーマ:好きなクラシック(2324)
カテゴリ:CD紹介
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」他 - ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn),アンドレーア・マルコン指揮,ヴェニス・バロック・オーケストラ(リンク先で全曲試聴可) この間のNHK「クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス」での演奏に惹かれ購入。カルミニョーラによるバロック・ヴァイオリンの心地良い響きと,古楽器アンサンブルならではの迫力が存分に楽しめる。録音も素晴らしい。「四季」はこれまで,定番と言われるイ・ムジチ合奏団による録音,ピエロ・トーゾ(Vn),クラウディオ・シモーネ指揮,イ・ソリスティ・ヴェネティによる録音,そしてナイジェル・ケネディ(Vn)による録音を聴いたが,個人的には録音・演奏ともにカルミニョーラのものがもっともしっくりくる。特に,ライナーノーツで諸石幸生氏も薦めているが,迫力ある「夏」の第3楽章と,ひたすら美しい「冬」の第2楽章は白眉。 ナイジェル・ケネディの「四季」は,最も売れたクラシックアルバムとしてギネスに認定されたと番組で紹介されたので興味を持ち今回聴いてみたが,意外と正統派の演奏だったので,なぜこれがベストセラー?と疑問に思った。しかしYouTubeのこの映像を見て納得。パンキーなヘアスタイルで足でリズムを取りながら会場を動き回り,他の奏者は全員サングラスをかけているというそのパフォーマンスはインパクトがあっておもしろい。ヴィヴァルディの時代にはヴァイオリニストのソロはロックのギターソロのように注目を浴びたというが,彼のコンサート(彼は「ギグ」と呼んでいるらしい)はそれを現代に蘇らせているのかもしれない。CDよりは,DVDのライヴ・アット・カルカソンヌのほうが楽しめそうだ。また,ケネディはポップスやジャズとのコラボレーションにも積極的で,特にロン・カーターやジャック・ディジョネットらが参加しているという2006年のジャズアルバム,ブルーノート・セッションズは聴いてみたい。 「四季」のCDを2枚も買うきっかけになったこの「名曲探偵アマデウス」は,クラシック初心者を対象にしていると思われるドラマ仕立ての音楽バラエティー番組。しかし私はドラマを見る習慣がないので,この番組は主に専門家による解説と最後の字幕付き演奏を目当てに,気になる回だけチェックしている。ただ,見始めた頃はそのいかにもNHKのコメディといった感じの微妙なノリが苦手だったが,最近はそのノリも万人向けになってきたのか,それとも私が慣れてきただけなのか,あまり違和感はなくなってきた。 ドラマは,筧利夫演じる所長と黒川芽以演じる助手が,毎回異なる依頼人の相談に乗る形で展開する。出演者はゲストを含め演技派で固められているようで,安心して見ていられる。場面は基本的に主人公が経営する探偵事務所に固定されており,一応探偵ものの設定だがミステリー要素はあまりなく,形式的にはシチュエーション・コメディに近い印象(欧米のもののように笑い声が入ることはないが)。 依頼人は八百屋のおばさんや野球監督,ピエロなど,たいていクラシックとはあまり関係のない人たち。それぞれの悩みが専門家による解説としだいに結びついていくのだが,その脚本家の手腕には毎回感心させられる。曲解説に合った形で,毎回よくあれだけ異なるストーリーを作り出せるものだ。コメディなのでこじつけが基本とはいえ,キャスティングの妙もあり,つい何となく納得させられてしまう。今回は「四季」の「春」「夏」のみを取り上げて終わったが,秋ごろ放送されるという「秋」「冬」編も楽しみ。 クラシックの名曲解剖:「名曲探偵」監修者,野本由紀夫氏による入門書 【楽天市場】SACDソフト:Joshin web 楽天レンタル メガプランを試す:意外とクラシックやジャズが充実 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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