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タケノコmaxのパソコンでオーディオ

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2013年01月04日
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カテゴリ:オーディオ


LINN MAJIK DS-I(現在は名称が変わり,MAJIK DSM)からTANNOY Autograph miniを介して出てくる音を聴いていると,これは狭苦しい私のリスニングルーム兼書斎兼寝室で望みうるほぼ最上のものだろうと感じる。もちろん上を見ればキリがないし,特に試聴会などで大口径のユニットから出てくる豊かな低音を体験すると,そんな音を家でも聴きたくなるが,大きなスピーカーを設置する場所や近所への迷惑などを考えると,このあたりで足るを知っておくべきなのだろう。また,夜中でもSTAX SRM-007t + SR-007であれば心置きなく大音量で微細な音のニュアンスまでじっくり楽しむことができる。

しかし,勤務先が変わった数年前から,家でじっくり音楽を楽しむ時間が少なくなった。通勤時間が長くなってしまい,1時間かけて夜遅く帰宅した後は,LINN DSの電源を入れることなくそのまま床についてしまうこともしばしば。一方増えたのが,通勤中車の中で音楽を聞く時間。運転中は基本的にずっと音楽を聞いているので,毎日往復2時間は音楽を聞いている計算になる。下手をしたら家で聞いている時間より長い。

これまでは古い国産コンパクトの,ロードノイズまみれで低音がほとんど聞こえないひどい空間で,ポータブルオーディオプレーヤーからのWMA96kbpsの音を,FMトランスミッタ経由で純正ナビを介しドア下の純正スピーカー2個から聞いていた。かなりボリュームを上げてようやくメロディが何となくわかるといったレベルだった。

車検を機に10年ぶりに車を買い換えることになったので,ここはひとつカーオーディオ環境もましなものにしたいとあれこれ調べていて行き着いたのが写真の「ダイヤトーン・サウンドナビ」。ダイヤトーンといえばかつては国産スピーカーの雄として確固たる地位を築いた三菱のブランドであり,それを冠したナビというのだからオーディオマニアの心をくすぐられた。80万のデジタル・プロセス・センターDA-PX1のノウハウを惜しげもなく投入し,DACは32bit,ノイズ対策も徹底しており内蔵アンプも下手な外部アンプより優秀と,これまでのAVナビでは考えられない仕様だという。これが20万だというから,メーカーオプションで純正の一番良いナビをつけたと思えば,それほど浪費した感じはしない。

というわけで,ディーラーオプションでペア1万のコアキシャル2WAYのスピーカーだけつけて納車してもらい,近くのプロショップにナビの取り付けを依頼。上の写真はNR-MZ60だが,私は上位機種のNR-MZ60PREMIにした。どちらも音質や機能はほぼ同等というが,違うのは音質設定の細かさ。より車に合った調整がしたかったので,数万しか違わないし迷わずこちらにした。

乗ってみて初めて聴いた音は,想像以上だった。少し大げさに言うと,私のカーオーディオ観が根底から覆されるほどの音だった。ホームオーディオにこだわっている人の中には,カーオーディオなどやるだけ無駄だと考えている人が多いのではないか。私もその一人だった。そもそも,直近の足元にある右スピーカーに対して,左スピーカーは助手席を隔てた遥か彼方にあるという,ホームオーディオでは考えられない配置しか許されないことに加え,狭く反響が複雑に重なる密室に,始終エンジンや道路からのノイズに電気的なノイズまで加わる・・・ ホームオーディオの観点から言えばほとんど悪夢のような環境なのだ。普通なら,まともな音など望むべくもない。

しかしNR-MZ60PREMIから1万のスピーカーを介して出てきた音は,ほぼ完全にセンターに定位しており,低音がしっかり中高音を支え,はっきりと「音楽」を構築していた。まるで家でベストポジションで聴いているかのような定位を体験できた秘密は,NR-MZ60PREMIが左右のツイーターとウーファーの計4個のスピーカーユニット1つ1つに異なるタイムアライメント調整をかけることができるため。D/A変換する前にタイムアライメントなど様々な調整を積極的に行い,自然な音を作り出すというその発想は,できるだけ変換が少ないことが美徳とされるホームオーディオにはないものだ。様々な障害を技術的に1つ1つ潰してきたカーオーディオメーカーの努力は賞賛に値する。ダイヤトーン・サウンドナビについては,初心者にも分かりやすい『カーオーディオパーフェクトセオリーブック』などの著作があるカーオーディオ評論家,石田功氏による三菱HPのこちらの記事が詳しい。

NR-MZ60PREMIオーディオ画面 NR-MZ60PREMIリスト表示 NR-MZ60PREMI付属調整SDカード
音源はCDに加え,SDカードやUSBメモリ,CD-RやDVD-Rなどに入ったMP3/WMA/AAC/WAVに対応。ぜひアップデートでFLACやAPEなどの非可逆圧縮ファイルにも対応してもらいたいところ。曲は階層構造から検索でき,フォルダごとに連続再生できる。音質調整は右の付属SDカードを挿して行うが,私は,車内の音響特性を測定できる装置を持つプロショップに全ておまかせした。こちらはBEWITHというカーオーディオメーカーのページだが,車種ごとに様々である室内空間に最適な設定を行うにはこのような測定技術が不可欠だろう。

NR-MZ60PREMI車速連動VOL調整機能
また,個人的にありがたいのがこの「車速連動VOL調整」機能。以前の車では停車時と走行時で騒音の量が全く違ったため,頻繁にボリュームを上げ下げする必要があり煩わしかった。ナビが騒音に応じて自動で調整してくれればなぁと思ったものだ。今の車はさすがに騒音対策もしっかりしているようで走行時もそれなりに静かだが,やはり停車時との差はある。そこでこの機能をオンにすると,速度が大きくなるにつれて自動でボリュームを上げてくれるのだ。ボリュームの上がり方は極めて自然で,普段はこの機能を意識することはないが,あるとないとでは大違いだろう。ボリュームの上がる量も調整できる。

ナビ機能に関しては,以前使っていた純正ナビに比べるとやや使い勝手が悪い印象。例えば,目的地を設定する時に以前より多くタッチする必要があり,経由地の設定方法も直感的ではなく,また,次にどこを曲がればよいか音声で確認したい時,以前はボタンを押すだけでよかったがこのナビは画面の特定の部分をタッチする必要がある。しかしこのあたりは慣れの問題でもある。一方,目的地の履歴をずっと記録してくれるので,再び同じ場所に行きたいときに便利。目的地の検索方法もあいまい検索が可能でよい。ともかく,この音を聴けるのだからだいたいのことは許せる(笑)。ピュアオーディオ並みとまではいかないが,音楽を聴く楽しみは十二分に感じることができる。2時間の通勤時間が楽しみになった。

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最終更新日  2013年01月04日 23時38分56秒
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