DSプレーヤーとしてのLINN MAJIK DS-I:ファイアーウォールで関連ポート開放
LINN MAJIK DS-IMAJIK DS-I導入後,NASの構築が面倒なのでしばらくDACとして使っていたが,やはり本来の使い方だとどんな音が出るのか気になってきたため,DSプレーヤーとしてとりあえず鳴らしてみることに。NASとしては,購入時に特典として付いていたQNAP TS-112 Turbo NAS(500GB HDD入り)を使用。取説(マニュアル類はLINN JAPANのこちらのサイトにまとまっている)にしたがってインストールしたが,1つ問題が。ファイアーウォールソフトを無効にしないと認識できないのだ。DSのアップデートなどでインターネットにつながっている必要があるのに,ファイアーウォールが使えないのはやはり不安。とりあえずPCからNASを認識することには成功したが,今度は転送速度が極端に遅い。ローカルHDDにある音源を全部転送しようとしたら何日もかかるような速度だ。これは日常的に使うのをためらうような速度・・・。うーむ,やはりDSプレーヤーとしては,利便性をある程度犠牲にしなければ再生は難しいのか。セキュリティ面と転送速度についてはあとで考えることにして,次にいよいよMAJIK DS-IでNASを認識させてみる。こちらも取説に沿って進めたが,設定ソフトのLINN KonfigがどうしてもDS-Iを認識してくれない。色々なところをいじってみて,ようやく原因が判明。NASやDS-IとPCをつなぐルーターとして,昔デスクトップPCの画面をノートPCの画面に映そうとしてZoneScreenを導入したときに購入していたBUFFALO WHR-HP-Gを使っているが,底面にある「ROUTERスイッチ」なるものがなぜかOFFになっていたのだ。これをONにしたら無事DS-Iが認識された・・・のだが,今度はConfiguration(設定)とDiagnostics(チェック)が有効にならない(クリックしても何も表示されない)。この状態では再生ソフトのKinskyDesktopが認識してくれない。むぅ,あと少しでできそうな予感はするのだが・・・これもあれこれ調べてようやく原因がわかった。さきほどのLINN JAPANのページにも「Caution!!!」とわざわざ太字で書いてあるが,DSシリーズは本体のファームウェアとLINN KonfigとKinskyDesktopを,同じバージョンでそろえる必要がある。そのことは私も知っており,3つともCARAというバージョンで統一していたつもりだったのだが,実はLINN Konfigだけ自動アップデートでDavaarになってしまっていたらしい。このあたり,違うバージョンになっていると警告など出してくれれば,すぐに原因究明できたのだが。ともかく,残りの2つをDavaarでそろえると,念願のDSプレーヤー環境が整った。これだけ苦労したけど,結局DA変換機構はいっしょだし,外部DACとして使うのとそれほど音は変わらないだろうなぁ,と,それほど期待せずに鳴らしてみたのだが,これが驚くほどの変化!音源によっては,全く別の機器の音としか思えないほど改善されて聞こえたのでびっくり。まず低音がよく出ている。しかしブリブリとした安っぽい低音ではなく,抜群の抜けのよさがある。カシオペア / MINT JAMSの「ASAYAKE」のドラムの響きなどは,これぞ神保彰のドラムそのままの音だと思えるほどによく再現できている。高音質ヴォーカルもの(ウィスパー系)として最近お気に入りの手嶌葵 / The Rose ~I Love Cinemas~(リンク先で試聴可)の#4「Raindrops Keep Fallin' on My Head」は,ベースの存在感が違うためにリラックスしたタメと余裕のあるアレンジが際立ってくるし,#5「Over the Rainbow」は「これぞ極上ヴォーカル!」と言いたくなるようなピュアリティがある。それにしてもこの人の声は,線が細いように思えるが独特の存在感があって不思議だ。この低音と空気感は,やはりNAS接続特有の低ジッターの賜物なのか。こうなってくると,これまでのようにDACとしてではなく,全てのソースをNAS経由で聴きたくなってくるが,これまでと同レベルのお気楽さでそれを実現しようとすると,そこには2つの障害が。まずはセキュリティ面。再生前にファイアーウォールソフトを無効にしないといけないというのは,まず面倒だし,何より,PCを起動させておくだけでボットが勝手に入ってくると言われる現在の状況ではあまりに不安。かといってMAJIK DS-I専用のクローズドなLANを構築するといったスキルもない。別個にMAJIK DS-I専用の空のパソコンを用意し,個人情報流出のリスクをなくそうとも思ったが,ボットによって他所様のパソコンに悪ささせられる,といった被害は防げない。何とかファイアーウォールの設定を変えて,DS関連の接続のみ通してもらうことはできないものか。調べていると本家LINNのKinskyDesktopマニュアルに,次のような記述を発見。Firewall port settingsThe Windows installer automatically adds a rule for KinskyDesktop to the built-in Windows firewall. For other operating systems, (and for other firewalls on Windows), you might need to manually open the following ports, TCP 47832 to 47932 inclusive TCP 49832 to 49932 inclusive UDP 1900 要は,ローカルTCPポート47832-47932, 49832-49932とローカルUDPポート1900を開ける設定にしておけば,ファイアーウォールを無効にしなくてもそのままKinskyDesktopが使えるということでは?ということで早速設定し,PC再起動後の問い合わせに対してIPアドレスを「ホーム」に設定すると,これまでのように無効にしなくてもKinskyDesktopにMAJIK DS-Iのルームが表示された!(ファイアーウォールソフトによって細かい方法は違うだろうが,どのソフトでも必ず設定できるはず。)一応Shields UPで該当ポートにポートスキャンをかけてみても外部に対しては開いていないようなので一安心。もう1つの障害であるNASの転送速度の遅さについては,また長くなったので次回に。 これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索LINN DS最安モデル LINN SEKRIT DS-I雑誌 PCオ-ディオfanオーディオ&ホームシアター のだや 初めてのPCオーディオ