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2013年01月19日
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カテゴリ:CD紹介


バランス化したSENNHEISER HD580+BLOSSOM BLO-0169を初めて聴いたときには,そのあまりの分離の良さとリアルな音像には衝撃を受けたが,一方で高音が刺さる感じがあり,しばらく聴いているとすぐに聴き疲れしてきた。またシンバルやギターの高音の表現が明らかにおかしく聴こえることもあった。

これはバランス化の代償なのだろうと思ったが,ふと昔エージング用のCDを買っていたことを思い出し,リッピングしてLINN MAJIK DS-Iでリピートし,しばらく放置してみることにした。

私は今までオーディオ機器へのエージングの効果については懐疑的だった。「オーディオの科学」のエージングのページにもあるように,物理的にはありうるとしてもそれほど劇的な変化は期待できないと思っていた。これまで個人的にそれほど大きな変化を経験したことがないというのも大きい。特に今回はHD580についてはケーブルを変えただけであり,HD580自体はかなり使い込んでいてエージングもほぼ終わっていると思われるので,10時間ほどのエージングのあと音を出してみた時には半信半疑だった。

すると,ほとんど別物といっていいほど音が変化していることに驚いた。まず,高音の刺さりが全くといっていいほど気にならないレベルにまで改善されている。以前のHD580に戻ったようなバランスの良い音になっており,聴き疲れすることがなく何時間でも聴いていられる。一方で痛々しいほどリアルだった音像は一歩後退している印象があるが,生々しさは十分に残っており,このくらいがちょうど自然に感じられる。この変化がバランスケーブルのエージングによるものなのか,それともBLOSSOM BLO-0169のエージングによるものなのかはわからないが,いずれにしても大きな変化を感じることができた。

なぜこれまでエージングの効果を感じることがなかったのかを考えてみると,私はヘッドフォンなどは中古で購入することが多く,すでにエージングの余地のない状態だったからかもしれない。あるいは,TANNOY Autograph miniなどはエージング前から気持ちの良い音を出してくれていたので,急激にエージングをさせることがなく,音の変化があったとしてもゆるやかだったために気付かなかったというのもあるだろう。普段のペースであれば1ヶ月ほどかけるエージングを今回は一気に行ったために,その変化が劇的に感じられたというのもあるのではないか。

今回使用したのは,エージング用CDとして定評のあるXLO Reference Recordings Test & Burn-in CDのトラック9。雑音のなかに,低音から高音そして再び低音まで連続して変化する電子音が繰り返される。エージング用音源としては普段聴く音楽を流せばよいとも言われるが,こういった専用音源を延々リピートさせたほうが手っ取り早く変化を体験できるのではないか。エージングには大きな音量にする必要はなく,普段より少し小さめの音量で十分のようだ。

このCDはエージングだけでなくオーディオチェックCDとしても優秀で,デンオン・オーディオ・チェックCDと同様にチャンネル・チェックや位相チェック,周波数スイープのトラックが収録されているほか,ハンドクラップや消磁用のトラック,ワンポイントステレオマイクでしゃべりながら前後左右に移動して音場空間を説明するユニークなトラックもある。ちなみにここでしゃべっているキース・ジョンソン博士はHDCDの考案者。HDCDと言えば,高音質で聴くためには対応するプレーヤーが必要だが,特定のソフトウェアを使えば本来の音を再生できるようだ。こういったことができるのもPCオーディオならではだろう。

エージング用のトラック以降には,高音質CDで有名なReference Recordingsらしく,極めて録音状態の良いジャズとクラシックのトラックが続く。

01 チャンネル確認とチャンネル・バランス
02 正相の音声
03 逆相の音声
04 ハンドクラップのトラック
05 315Hzテスト・トーン
06 キース・ジョンソンよる音場空間解説
07 デマグネタイジング・スイープ
08 低域周波数デマグネタイジング・フェード
09 バーンイン・トーン(エージング)
10 モノラル、正相
11 モノラル、逆の相対位相
12 ステレオ、逆の絶対位相
13 ステレオ、正しい絶対位相「ストーミー・ウェザー」
14 「シャイニー・ストッキングス」
15 モートン・グールド作「デリヴェイションズ」より「”ラグ”ムーブメント」
16 ヤナーチェク作「シンフォニエッタ」より「クィーンズ・モナスタリー」
17 フランツ・ピープル作「アヴェ・マリア」
18 ワインバーカー作「笛吹きのシュワンダ」より「ポルカとフーガ」

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最終更新日  2013年01月19日 20時27分12秒
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