カテゴリ:ヘッドホン
イヤーチップを耳の穴に突っ込む必要のあるカナル型イヤホンは,圧迫される感じがしてあまり好きではない。しかし移動中,音漏れが気になるときにはやむを得ずカナル型を持っていく。そんな時にSumajin Earphone Black SUMEAR-BKでは役不足だと感じることがあり,高級カナル型イヤホンの音を試してみようと,B&W C5などと迷った挙句ortofon e-Q7を購入。 豪華な化粧箱に入っている。付属のイヤーチップはシリコン製のS,M,Lとコンプライ。私にはコンプライが一番しっくりきた。他に,耳垢を防止するフィルター・リング・交換ツールのセット,本革製ポーチ,日本語の説明書が付属する。 ハウジングはアルミ削り出し。SUMEAR-BKと比べると大きい。タッチノイズは大きめだが,耳の上からかけて後ろに通すように装着すれば気にならない。合流後のコードは絡まりにくい材質になっている。取説によると「銀メッキ無酸素銅線」を使っているとのこと。ただ,1.2mという長さは私にはやや短く感じる。 まずはバランスドアーマチュア方式が得意とされるボーカルを体験しようと,手嶌 葵 - The Roseの「Over The Rainbow」を聴く。ピアノの高音が美しい。温かみよりは透明感が際立つ音作り。 ヒラリー・ハーンによるバッハ:ヴァイオリン協奏曲集の中の「2つのヴァイオリンのための協奏曲」第3楽章では,Autograph miniやSTAXで聴くよりもヴァイオリンのキレや迫力が増し,メリハリの利いた演奏になったのには驚いた。 ニューヨーク・トリオ - 夜のブルースの「Blues in the Night」ではジャズ・ピアノが圧倒的な存在感を持って迫ってくる。ソースのダイナミックレンジの広さが十分に感じられる解像度の高さがある。 DENON - オーディオ・チェックCD収録のノイマン指揮チェコ・フィルによる「新世界より」では,HD580ほどにはオーケストラが塊として迫ってくる迫力はないものの,解像度は高い。 複数のバランスドアーマチュアドライバを搭載する高級イヤホンが多い中,e-Q7はあえて1つのドライバしか搭載しておらず,技術的な目新しさはない。しかしそこから出てくる音は,取説の言葉を借りれば「音の美学」を感じさせるもの。その音作りの上手さは「オルトフォン90年の音響技術の伝統」があってこそ可能となったものだろう。何より繊細な高音の表現は美しく,例えばハーンのバッハなどはSTAXよりもこれで聴くほうがしっくりくるほど。移動中だけでなく家でも常用することになりそうなイヤホンだ。 カナル型・インイヤー型|デイリー売れ筋人気ランキング USTREAM e☆イヤホンTV ダイジェスト ヘッドホン関連新刊 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年03月05日 21時55分03秒
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