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2007年06月21日
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カテゴリ:食べ物

 

早い時間の買い物は、人出が少なくて楽である。

人にぶつかることなく 品定めに集中できる。

娘を送り出し その足で開店の早いお店で

買い物をしようと車を走らせる。

今日も良い天気 空梅雨みたいだけど

清々しささえ感じる風

車を降りると隣の製茶工場から お茶の香りが漂う

茶香炉から香る香りとは またひと味違う香り

今日は、気持ちの良い日だわ なんか得した気分

「そうだ!」美香は嬉しくなり 買い物も早々に

車を走らせた。

髪に 顔に 体に お茶の香りが絡んで気持ちよい

 

「ただいま~」

「おかえり 早かったねぇ」

庭の手入れをしていた 母が ゆっくりと腰を伸ばす

「今 そんなことやらなくてもいいのよ!

 寝てなきゃ!私が後でやるから」

「今日は気持ちのいい日だから 

 少し体を動かしたかったの」

「お土産買ってきたから一服すれば?」

美香は顔の高さに箱を持ち上げた。

 

二人揃って軒の日陰に座る。

「あそこの木も伸びたわね そろそろ切らないと

 電線にかかりそうだね

母の小さく丸くなった背中に

「そうだね 今度の休みに頼んで切って貰うわ

お盆に乗せた抹茶のあんみつを持ってきながら

言葉を返す美香

「あ~美味しそうだこと 寒天の角が立って」

目を細め母が寒天を口に運ぶ

 

体が動かなくなると 目や耳が利く

忙しさにかまけている人間には気づかないことが

母の目には見えるのである。

伸びた木を見上げ空を仰ぐ 

白玉のような雲が風に流れていく 

若葉が擦れ合って気持ちの良い音を立てる。

 

先程まで子供の世話をやき 

学校に追い立てて忙しなかったのがウソのようである。

母と二人並んで娘に戻り 何となくホッとする。

 

軒に涼やかな風が吹く

 

 


 



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最終更新日  2007年06月21日 11時05分20秒
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