ヒモいらず　亭主いらず

開口一番

上ずった様な声だった。

一人の時に急に

部屋のドアを開けれた様な・・・

後ろめたいことをしていたんだろうか？

そんな疑問さえ浮かんだ声だった。

彼には興味があった。

メールではなく通話でちゃんと話しをして

聞いてみたかった。

上ずった声も落ち着いたらしく

話のやりとりが始まった。

波に乗れば饒舌で人恋しさが伝わってくる。

とりあえず聞き役になって喋らせた。

口の滑りが良くなってきたので

軽くいなし事情聴取で

質問していく

しかし彼には「オレの事を知りたいんだ」

と聞きとれる話し方で・・・

私は疑問だった。

離別の女と言うだけで飛びついて来た行動

己に　のぼせる歳でもないので

疑問が先行した。

四十は不惑！

なぜそこまで己の生きざまに惑い乱れる？

電話の相手は後輩のデコメ４０男だ！

フリー通話のケイタイなので電話入れて

朝の「おはよう」で始まるウゼぇ限りの

デコメに終止符を打たせるために！

ちなみに本日のメール

「今日から2月1日ですね

今月も頑張っていきましょう」

（デコメにしないよ！面倒だから・・・｜｜。－；）

キツツキになって無性にヤツの頭に

穴を開けたくなった。

己に言われんでも

分かっとるぅ！

しかし　まだ役員会で顔も

合わせなければならない

金輪際で切れるヤツなら一撃いれるが

大人対応で穏便に説き伏せ丸めるのが

今回の戦法です。

近況を喋らせ煽てながら

ほしいネタが手に入ったので

モメずに　がっちり押えこんで

動きを止めておきました。

そして私の中に沸いた　あの疑問も

解答が出た。

彼が欲しているのは私ではない！と感じていた。

しかし執拗に飲みに誘う

でも　その薄っぺらさが気に入らない。

彼は離婚経験者である。

家庭と言う「束縛」を連想される環境から

幻想とも言える「自由」を手にした。

しかし　その「自由」は虚しく

仕事が終わり明りのない声のない部屋に

戻る侘しさを痛感する。

誰に言うでもなく発した言葉は

反響しか答えがない。

友人に電話するもメールするも

そこまで誰もが相手をしてくれるわけもなく

自分一人の時間は長くさみしい

彼が欲したのは　離婚で失った

「誰かと時間共有をする」ことだったのかもなぁ

そのために何人もの人に声をかけて

自分の虚無に終わる休日を埋めようとしている。

カレンダーの白い日を作らないかの様に

そのために何人もの女性に声をかけて

信頼を失い

家に帰っても虚しさだけが残る悪循環に

陥っているともとれる。

早く気付けよ！

これは私が教える事じゃなく

自分で気付かなきゃいけないことです。

うま蔵は　中島みゆきの「悪女」を口ずさんでしまった。

彼がオオカミ少年に思えて

最後に「さみしい」と言うオオカミに食われないこと祈った本日