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テーマ:恋愛について(2622)
カテゴリ:タコ サラリーマン期
会社1年先輩の加山さんと六本木に繰り出した。馴染みのクラブマキシムを出たときは1時近くになっていた。「タコ君、もう一軒行こう。」大学時代、レスリングをやっていた加山さんは酒豪で、トイレで吐きながら出てきても飲み続けるのを特技としていた人で、飲み始めると帰ると絶対に言わない人だった。所帯をもっていたが、独身のように付き合いがいい。
2人で六本木を歩いていると、「おお。」といって加山さんが、ちょっと粋な女性を呼び止めてなにやら話している。「タコ君、今晩、この人の家に泊めてもらいな。俺は帰るから。」別なクラブで働いているという40がらみの艶っぽい女性、店がはねて青山のアパートに帰るところだった。そう言って加山さんはさっさと行ってしまった。 「加山さんも困ったもんね。仕方ないわね、あんたいくつ。」 「29です。」 私は可なり酔っていたのでこの女性の好意に甘えさせていただくことにした。アパートに着くやいなや、彼女の隣の部屋で布団を敷いてもらいもぐりこんだ。まったく知らない人のアパート。しかも、女性一人のアパートだ。なんだか、甘ったるい匂いのする部屋だった。すごく、いい気持ちで布団に包まった。彼女はお風呂に入っているようだった。胸騒ぎがしだしてなんだか寝むれない。こんなことは、人生の中でもそう滅多にあるものじゃない。 「もう、寝た?」ドキッとした。しばらくして隣の部屋から声がした。目がパッチリと開いてしまった。3時間くらい先まですべてが見えるような気もする。ドキドキする。 「あのね、もしかしたら、私の彼氏が来るかもしれないのよね。ただ、泊めてあげるんだから、変なこと考えちゃだめよ。もし、来たら、ちゃんと説明するんだからね。本当に、加山さんったら仕方ないわね。」 えっ!もしや彼氏とは、あっち系の人だったりしないか、などと考え始めたらもう寝られなくなった。戦慄が走り、酔いも急激に冷める。何なんだこれは!こういう期待と全く逆行するようなことはどうも昔から得意じゃない。とんでもないことまで想像してしまい上気していた体が急に縮みあがった。ほとんど、一睡もできないで、私は朝5時半頃そのアパートを出た。アパートを一歩出た時の開放感は尋常なものではなく、また部屋に戻りたくさえ思ってしまったほどだ。 どうして加山さんが、彼女の家に泊まれと言ったのかは未だに謎だ。しかし、こんなに恐ろしい夜を過ごしたのは初めてで、それからは、たとえ相手が金髪であっても、知らない人の家には絶対に泊まらないことにしている。 毎回、果敢にこの緑の箱をクリックよろしくお願いいたします。 タコ社長の本業・オーストラリア留学 タコのツイッター Twitterブログパーツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年11月29日 10時37分19秒
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