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カテゴリ:もう一つの家族
君ちゃんは幼い時に両親を亡くしたらしい。 君ちゃんは暴走族に入っていて、 17歳で二つ年上のオヤジに知り合った。
初めて逢った時に オヤジに「トマトを壁にぶつけたような顔してるな。」 と言われたらしい。
間もなく二人は付き合うわけだが、 まぁオヤジは女好きで手が早かったらしい。
オヤジは 他の女に手を出しても、 君ちゃんが 他の男と遊びに行くことは許されない。
こっそり君ちゃんが 他の男とドライブに行くと・・・ バレて 途中で オヤジに見つかり、その場で ぶっとばされて 鼻血を流しながら オヤジの車に押し込まれたという話を君ちゃんから聞いた事がある。
君ちゃんが オヤジに何度も中絶をさせられたと言っていた。 19歳の時には すでに4回の中絶をしていて、 医者に「これ以上中絶をすると 子供がもう産めなくなるかもしれない。」 と言われたそうだ。
「それで、ルカを仕方なく産む事にしたの。」と、君ちゃんは昔ルカの目の前で言っていた(^_^;)
19歳で妊娠、二十歳で結婚して、ルカを産んだ。
君ちゃんは 生前、オヤジとの昔話を嬉しそうに いつも話してくれていた。 わたしには不幸としか思えない結婚生活が、 君ちゃんには大好きな人との幸せな時間だったのだろうか。
君ちゃん「お金なんて無くてね。 洗濯ものは洗濯板使って全部手洗いしたよ。 段ボール箱を机にして、鍋も一つしかなくて、 一つの鍋でご飯を炊いて、味噌汁も作って、おかずも作って、 それでも子供も産めて、お金がなくても楽しかった。」
君ちゃんは オヤジにベタ惚れだった。 それは何があっても最後まで・・・死ぬまで大好きだったのは見ていて分かる。 わたしには 到底理解出来ない愛がそこにはあった。
そしてルカより3歳下の弟も生まれて間もなく。 オヤジには 新しい女が出来たらしい(^_^;)
これまた17歳の女の子と結婚したいと言い出したらしい。 君ちゃんが「あたしと子供たちを棄てられるの?」と聞くと、 オヤジは「棄てられる。」と答えたという。
そういうなら仕方ないと思い、別れたのだとか。
でも子供は君ちゃんが養っていけないと言って、 ルカと弟をオヤジと17歳の妻に預けたらしい。
ルカ「わたし その時の事 よく覚えてるよ。 わたしが5歳くらいで、弟が2歳くらいかな~ そのオンナと、わたしと、弟と3人でよく海辺を散歩してた記憶がある。 でね、ある日弟がオネショをした時に そのオンナが弟を怒ったの。 その時 わたしは そのオンナに『あんたがよく怒るから弟がオネショをしちゃうんだよ!』 と言ったみたいなの。 わたしの その言葉が原因で お父さんと そのオンナは別れたみたいだよ(^_^;)」
その後、ルカと弟は 君ちゃんの元に戻されたのかな。 でも、君ちゃんは どうしても二人の子供を養えない、と オヤジの姉夫婦に ルカと弟を預けたらしい。 オヤジの姉夫婦は いつも君ちゃんに優しくて親切にしてくれていたらしい。
「あの人はね。 離婚しても わたしと喧嘩しても わたしの悪口は絶対身内には言わないの。 自分の事を悪く言うだけね。 だから あの人の親族には本当にずっと可愛がってもらえたの。」 と、君ちゃんは言っていた。
オヤジの姉夫婦は こどもが出来なかったらしくて、 ルカと弟を預けると それはもう喜んで世話をしてくれたらしい。
養子に貰いたい!そんな風に言ってる時に まだ預けて1ヶ月もしないうちに 君ちゃんは二人を引き取りにきたらしい。 「やっぱり 子供たちは どうしても手離せません・・・。」
ルカ「預けられる時にね、わたしと弟に空港で お揃いの服を買って着せてくれたのを 覚えてるよ。 でもね、1ヶ月もしないうちに 迎えに来てくれたの。」
そして 君ちゃんは 再びオヤジの元に戻るのだが、 親子4人家族の幸せは 続かず、 あの悲劇の参事が起きたのである。
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