ピアノでお習字
ピアノのレッスンを始めて間もない生徒さんにスラー(弧線)のかかっている音列はレガート(なめらかにつなぐ)に弾くのよ、と教えますと一生懸命つなげて演奏してくれます。しかし、がんばりすぎて2つに分かれているスラーも1つにまとめてレガート。そこでスラーとスラーの間は、息を吸いなおすように一旦手を上げて新しくレガートに弾き始めてね、と伝えますが今度は『とおっ!!』という声がかかりそうな勢いで手を持ち上げて切られたりします。弾くなら弾く、切るなら切るそこだけに注意がいってしまうのですねー慣れてきても、フレーズの間が短くなってしまったり長すぎたりと、不自然になることが多いポイントです。 『フレーズを切る』『フレーズを弾き始める』この間に意識が向きにくいTちゃん。どうしたら、ここに意識を向けてもらえるか。ふと、思いついたのが『お習字』です。Tちゃんに、お習字をしたことがあるか聞いてみるとあるとのこと。しめた例えば『月』という漢字を書く場合1画目を書いて(左斜め下にはらう)2画目に筆を運ぶ(1画目の頭に戻る)時はらった方向と逆に回転(反時計回り)して戻ったりする?Tちゃん、しない!と答えました。そうだよね。線はつながっていないけれど、『はらった勢いの流れ』の方向にのって次のポイントへ筆を運ぶはずです。ピアノの演奏でも同じ。音がつながっていなくても気持ちは一つの流れでつながったままにして次のフレーズに進んでごらん。これで、通じました。来週まで、この感覚が持ってくれますように。