マタハラに一石、投じられた?
マタニティハラスメント(マタハラ)についての裁判。ある病院に勤めていた理学療法士の女性。勤続約10年で管理職の副主任になったが、妊娠がわかり軽い業務への転換を希望したところ、副主任から降格させられ、復職後も職位復帰できなかった。妊娠や出産を理由にした不利益取り扱いを禁じている男女雇用機会均等法。でも、以前マタハラ相談は年3000件以上あるそうです。セクハラ相談が2007年に16,000件あったものが2013年には9000件まで落ち込んでいるのは対照的に、マタハラ相談は、ずっと同じ水準です。今回のケースは、病院側が「事前に女性の意思を確認し、副主任の免除について同意を得ていた」と主張。女性側は「役職を外されると伝えられていない」と反論。地方裁、高等裁は病院側支持でしたが、今回最高裁判所の判決では、妊娠や出産を理由にした降格は原則違法、とのことでした。妊娠の前後で処遇を大きく変えることは大問題、と裁判長も補足意見しています。マタハラ問題は、結構難しいですよね。女性側も身体がハードな仕事に耐えられないし、母体保護もあります。なので会社は代わりの人を充てようとします。でも、復職したら同じポジションにつけなければならないとなると、その人が休んでいた間、新しいポジションについた人の処遇はどうなるの、となります。一つのポジションに二人の人。で、まま多いのは、復職後は同じポジションにつけますが、やはり人事権をもって、その復職した人を別のポジションにつける、というもの。出産したことで、今までみたいには働くのは難しいでしょ。子育ても大変でしょ。だから・・・と会社は思うわけですが、従業員側は、大丈夫です、今まで通り働けます。子供は保育所か親が見てくれるから大丈夫です、ということも・・・従業員は、この子育ての時期は割り切って、仕事を今まで100していたところを80になっても、子育てにも力を入れてほしいですね。で、会社は、この従業員が子育てを終わって、またバリバリ100の力で働ける、と判断すれば、もしくは本人から申し出があれば、チャンスを与えてください。子育てしているから、キャリアのマイナスだ、とは思わないで。子育てや介護をすることでキャリアにプラスになることもありますから。会社もそういう目で見てあげてください。キャリア復帰にチャンスを与えてください。そうすると、このマタハラ問題も一定の方向性が見えてきませんかね。