うちの家族は記念写真が多いと思う。
伯父のヨシオさんの趣味がカメラ撮影だった事や、
写場を経営してる叔父がいるなどと、
多いにも理由がある。
プロが撮影した写真は、
親バカでやたら枚数だけは多い
スナップ写真とは出来栄えがまるで違う。
最近は、半年前に三姉妹が法事で実家に集合した時、
そのまま叔父の写場へ流れて撮影したのが新しい写真で。
先月9月は、叔父の写場では 敬老の日にちなんで
『遺影を前撮りしようぜ! イエーイ♪』キャンペーンがあり
実母のカヤコさんも撮影していた。
そのことは、なんとなく覚えてはいたのだけど、
「ねぇねぇ、メィ子ちゃん、みてみて。」
と嬉しそうに抱えて見せてくれたのは。
まさに遺影。
どっしりとした木製フレームにおさまる
カヤコさんの写真は、それはそれは、
公開できないのが残念なくらい本当に見事なんですよ。
「ありゃあねぇ、うちが言うのもなんじゃけど、」
「いやぁ、ほんまにいい顔を撮ってくれとるよねぇ。」
「スナップ写真を引き伸ばしたのはしたくなかったけぇ、これで安心じゃね。」
「うん、本当じゃね!」
「これを見た人はみないい人じゃったって言うてくれてよ!」
「何かあってもいいように、ここへ一緒に並べとこう!」
チイヤの卒業式の袴写真の隣に
カヤコさんの(遺影になる予定の)写真が並べられた。
(ビミョー)
「お母さん、これで明日死んでも大丈夫じゃね!」
あっ、口がすべりました!
これが嫁だったら取り返しがつかないことに
ところが、カヤコさんは動じない。
「いいや、次は洋服で撮ろう思うんよ。」
「だって、お父さんの遺影が洋服じゃけぇ。」
「隣に並んだら、やっぱり洋服の方がバランスがいいわいね。」
「洋服で撮ったやつもいるわ。」
え
・・・・・・・・・・祭壇に洋装と和装の二枚?(ビミョー)
まぁね、記念写真が増えたと思えばいいのか。
うん、そうね
とりあえずミルハー姉にまかせる。