きのうのつづき。
チイヤは午前中で仕事がすんで
まっすぐマンションに戻って待っててくれる段取りだった。
早めに実印をつくって登録もすませてくれていた。
印鑑証明も用意して、あとはあたしがお昼ご飯を調達して
やってくるのを待っててくれてるはずだった。
大学との電話でのやりとりは思った以上に長引いた。
でも学生課の職員さんはあまり前例がないミスに
わざわざJASSOに手続き方法の確認をしてくれてたのだろう。
早めに書類を確認しておかなかったのが悪いんだから
待たされても仕方ないね。
でも、できれば簡単に訂正できますようにと思ったのに
チイヤの名前ちがいの訂正は、印鑑証明と署名だけでは終わらず、
どうしても保証人変更届の手続きが必要だった。
・・・ということは。
「はぁ、申し訳ないんですが保証人を新たにたてる方法でないといけないんです。」
「先に渡した誓約書にも正しいお名前を記入していただくのですが。」
「保証人を変更する手続きを同時に行う方法になるんです。」
「変更届にお姉さまの正しい氏名をご本人直筆の署名になります。」
「もちろん印鑑も実印です。」
その届出用紙がうちに届いたらまたチイヤのところに行って
記入してもらわないといけないわけね。
はぁーーーーー。
車の運転があまり好きではないのでできれば一度にすませたかったが
そういうわけにもいかないようだわね。
職員さんの説明に仕方ないかと割り切ったけど。
どうも 電話口のむこうのおばちゃんが、だまりこんじゃったので
担当職員のおにぃさんが察したようだった。
「・・・あのぅ。もしもですね、パソコンのメールアドレスがあれば
書類を添付して送る事も可能なのですが。」
"可能なのですが"の後には多分
(おばちゃんだもん、パソコン使えないだろうなぁ)
(おばちゃんだけならパソコンないかもしれないぞ)
(パソコンあってもダンナが帰らないとわからないとか言いそうだ)
そんなニュアンスが大いに含まれた
"可能なのですが"の一言だった。
しかしやね、"可能なのですが"を言い終わると同時に
電話口のむこうのおばちゃんが
「あーありますあります! はい、ゆうてもいいですか!」
「えーと小文字でakb01234@・・・の」
おばちゃん意外にいきなり口頭でアドレスを言い始めたもんだから
おにぃさん、面くらって
「えっ! はいっ! あのお願いします!!」
「あのっ! それはビーですかっ?ティーですかっ!」
おばちゃん、楽天市場でのお買いものランクはプレミアム会員なので
メールのアドレスはすでに頭の中に入っていたのであった。
「では、書類を添付して送ります。」
「パソコンを開いて待っててください。」
「それをプリントアウトして記入してもらいたいんですが。」
「細かい説明もありますので送信後、再度電話をします。」
「では、いったん電話をきらせていただきます。」
「あ、ワタクシ、アオヤマと申します。」
受話器をいったん置いてすぐプリンターの電源を入れた。
パソコンはすでに開いていたのでメールの受信ボックスを開いて待っていた。
待っていた。
・・・・待っていた。
アオヤマさん! 早く!!(何様だ)
5分待ってメールが届いた。
添付ファイルをくっつけて送るだけだと思ったら
ご丁寧に注意事項がいくつか添えてあった。
これを入力する時間がかかったわけね。
届いたメール本文と、添付されていた『連帯保証人・保証人等変更届』なる書類を
プリントアウトして折り目をつけないようにして
予定より40分遅れてチイヤのマンションへ向かった。
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パソコンのメールが使えてプリンターも持ってて
A4のプリンター用紙も常備してたので(『ダ』の商品だけど)
その場で訂正可能になった。
コマユのいいかげんな仕事に振り回されたけど
結局一度で終わりそう。よかった。
『よくないわッ!!(怒)』
『コマユめがッ!!』
実印を作るために2万円も大枚をはたいた上、
書類を仕上げるためにわざわざ時間を作ってくれたってのに
名前を間違えられた姉上様は
大変ご立腹になった。
チイヤすまない