カテゴリ:埃だらけの洋館
幽霊目撃者1、2、3、4、5、6
やっと帰宅すると、いつもの落ち着いて上品な義父母の雰囲気と随分違う、とすぐ感じた。原因はすぐ分かった。 お二人ともちょっと浮き浮きとして、義母はまだ少し動揺している様子だ。「信じられない、信じられない」と連発している。結構楽しそうに話してくれた。ムーミンも、アタクシがいなかった内の話しの内容を話してくれた。たとえば、 「その人の表情は?」 「知りませんよ、そこまでみなかった、とにかく頭をぶつけそうになったのと使用中のお手洗いに入っちゃったのとでびっくりしてドアを閉めたんだから。」 「流し台に立ってなにしてたかわかる?」 「そうね、手を洗ってた訳じゃなさそうだったけど一瞬の出来事だったからね、むこうは結構落ち着いてたみたいだったけど私はびっくりして恥ずかしくて大変だった。」 「感じとか、雰囲気とかは?」 「そんな暇なかったわよ、ああびっくりした。」 「『この人女中だな』なんて思わなかった訳だね?」 「え?女中って何よ、え?どういうこと?」 「恐くなかった?」 「ええ?そんな暇もなかった、ただびっくりしただけだけど、なに、『恐かった』っていうの?え?まさか『幽霊だ』なんて言うんじゃないでしょうね、やめてちょうだいな。」 その後、アタクシ達の知る限り、この「茶色の服の女性」は姿を現わしていない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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