テーマ:住宅コラム(1809)
カテゴリ:埃だらけの洋館
木材財閥の奉行屋敷1、2、3、4
洋館で生まれ育った老奉行に何度も会った、という老人は親友 L のお父様にあたる。 何度もお食事などを一緒にしている上品で控えめな老紳士で、アタクシ達がこの市の史蹟区に家を買ったと聞き、喜び勇んで駆けつけてきた。引っ越して二日経っていなかった。 L のお父様は、この近所で育ったのだ。洋館に着いて見るとなんと隣だった、と言う。いつもはちょっと青白い頬をポッと赤く染めて、玄関で花束を抱えてはしゃいでいた。今にも踊り出してしまいそうだったので、アタクシ達もいっしょに嬉しくなってしまった。 L のお父様が若いころ、老奉行は近所でも有名な「ヘンクツじじい」だったそうだ。無愛想で、道を通る近所の子供達を怒鳴りつけたりするので怖がられていたという。 L のお父様はその隣に住む怖いヘンクツじじいの家の様子を覗きたくて、よく窓から乗り出し身をよじらせ覗こうと試みた、という。この上品な老紳士は昔わんぱく小僧だった様子。 「君達が買ってくれたおかげで奉行屋敷が思う存分覗けるなんて、ああ、なんて幸せ、有難う」とばかり手を握られて頬にキスまでされてしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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