テーマ:住宅コラム(1809)
カテゴリ:埃だらけの洋館
木材財閥の奉行屋敷1、2、3、4
そのころ、老奉行は70才位と思われたが独身で、90才を超える老母と、中年の女中の三人で洋館で暮していた。 そしてその老母が亡くなった次の月に、それまで近所で見かけたことのない女性と急に結婚して隣近所を騒がせた、という。老母が、恋愛を、結婚を、認めなかったのだろうか。アタクシはその何年も結婚を延期されたと思われる女性のことを思って勝手にだが心穏やかではなかった。 L のお父様はそんな話をしながら埃だらけの洋館中をじっくり見て回られた。それまで、アタクシ達は洋館の歴史など殆どしらなかったので、L のお父様のお話しを一生懸命聞かせていただいた。建築者の名前と建築された年だけは玄関の横に史蹟区保存会によって標示されている掛け札(のようなもの)からおぼろげに知っていたが、全部興味深いお話しだった。 その後、L のお父様はお茶を飲んで、スモーク・サーモンをハーブ・クリーム・チーズを塗ったクラッカーにのせてディルと荒コショウをふりかけて食べ、やっぱり頬をポッと染めていそいそと帰られた。 昔この家に住んでいた人は、時々懐かしくなって様子を覗きにくるのだろうか。ならば今の埃だらけの洋館を覗き、きっと呆れていることと思う。もうちょっと気合いを入れねば、なのだがそう思いながらもココに書き込んでいたりする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.09.05 06:46:25
コメント(0) | コメントを書く
[埃だらけの洋館] カテゴリの最新記事
|
|