テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:移住民子供体験談
生物学の授業で「血液型を調べてみよう!」という実験があった。
北米の高校生は大体自分の血液型なんて知らないし、興味ももっていない。 「血液型占い」なんて、まず聞いた事ない。 だが、北米から「リボン」を購読していて、ふろくにピカピカの「占い特集」なんてのがついてきていて、血液型を知らないため歯がゆい思いをしていたアタクシは、この実験が楽しみでならなかった。 ワクワク。ドキドキ。 やっと血液型が判る。 北米生まれの末の妹Eは病院で調べてもらったので知っている。AB型。 そして、両親がそれぞれA型とB型。 なのでアタクシはA型、B型、AB型、O型、何でも可能な事になる。 で、どれだろう。 実験当日になり、ランセットが配られた。これで指先をプチッとして、その血にどの抗体があるか検査するのだ。 だが、ここでトラブルが生じた。 当時アタクシは貧血で、指先が真っ白に血の気なく、プチッとしても何も出て来ない。 拳を作ってしばらく手首の動脈を止めてみたりする。再度プチッ。痛い。 痛い思いをしているのに、血が出てくれない。数滴でいいのに。 まわりでそれぞれランセットを持ち、躊躇している同級生がガヤガヤしている。 「痛そ~。」 「オ、オレできねぇ。情けねぇ~~。」 でもアタクシは血液型が知りたい! 「プチッ」で出なかったので、しばらく指先を「グリグリ」してみると、やっと出た。 ひぇ~~。 だが。 調子にのって今度は動脈でも切断してしまったらしく、ドックンドックンドックンと血が湧き出てしまった。 指から血がボトボトボトッと落ちる。あれぇ~。 「あぁっ!タリア!おまえ、あまってんなら貸して? な? な?」 「オレも!」 「きゃー、あたしもっ!ありがとう!」 「人助けはいい事ですっ! いただきぃっ!」 ...と、まわり十五人ほど、アタクシの血を調べる事になった。 なかなか血が止まらない指をくわえて、いざ。 おぉ。 アタクシって、O型なのね。Rh+。なるほどぉ。 なんだか感激。 「やったぁ!アタクシって...」 「AB型!」 ...え? 「違うじゃん、『A型』って出たよぉ。」 うそぉ。 「あたしも『AB型』って出たけど。」 「バカ、『O型』だってば、絶対。見ろよ、ほら。」 「え~~~?オレ『B型』って出たけど。でも自信ないし。」 「タリア、おまえってやっぱりエイリアンなのな。」 そうしみじみと顔を覗き込んで言わないでほしい。 結局判らずじまい。 え~ん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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