テーマ:暮らしを楽しむ(388166)
カテゴリ:移住民子供体験談
[画像・dinosaur egg] 夙に、日本に住んでいた幼い頃、どこかの科学博物館へ何度も何度も連れて行ってもらった。 毎回、とてもとても心配な事があった。 ねぇ、大丈夫だと思う? 「どうだろうねぇ~、はやく行って見てみなきゃね~ 」と母。 到着したとたん、はやく!はやく!と両親の手をひっぱり、その展示品のところへ駆けつけた。 恐竜の卵が、孵ってしまっているんじゃないか。 前来た時、もうヒビが入っていていまにも生まれそうだった卵 の化石。 ずっとずっと眺めていたけれど生まれなかった卵 の化石。 前来た時も。その前も。 次回までには、もう恐竜の赤ちゃんになってしまっているんじゃないだろうか。 どうしても孵る瞬間の応援をしたかった、恐竜の卵 の化石。 その科学博物館のまわりにイチョウの樹があった。 ある時、その下にコロコロ落ちているギンナンを拾おうとして 「あ!タリアちゃん!ダメ!それはダメ!」 と手を掴まれびっくりしたのを今でも覚えている。 どうして? 「臭いからダメなの!」 ...そうなのかな。このかわいい実が、本当にクサイのかな...?? と当時随分疑問だった。 四歳だったろうか。五歳だったろうか。 いまだにはっきりと覚えている。 もしかして、落ちていた食べ物を拾わせてもらえなかった悔しさ...? 数ヶ月前、大好きな森様がドイツの銀杏のお話をなさっていた時、ふとまたこの昔の銀杏を思い浮かべていたら、それはきっと「上野」の科学博物館だ、と教えて頂いた。嬉しかった。 「上野」って、「動物園」と「駅」しか知らなかったアタクシ。 両親に聞いてみれば判る事だが、例えば「あの博物館はどこの博物館?」と聞いても「○○○だよ」なんて答えられたってアタクシは判らない。でも「上野」なら一応想像出来る 気がする。 両親は二人揃ってガリ勉だったため、高校や大学時代のデートは必ずこの科学博物館だったらしい。 「映画なんかつれてってくれる人じゃなかったの~」と母が苦笑する。 結婚して子供が生まれてからも通い続けたなんて。 そんなわけで今日、職場のむかいの果物屋さんで思わずプラムを衝動買いしてしまった。 ネクタリーンや桃の方が好きなのだが、この「恐竜の卵」のシールにつられて買ってしまった。 恐竜の卵...? に見えるのだろうか...? アタクシにとって「恐竜の卵」とは、やはりあの今にも孵りそうに見えた、日本の「上野」の科学博物館の、黒くツヤツヤの化石の卵。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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