カテゴリ:食となかま♪
今日は熊本県菊池市のきらり水源村で行われました第2回 ふるさと食の樂校に参加しました。
きらり水源村は、50年以上前に建てられた木造平屋建ての校舎(旧水源東中学校)で、その基礎は当時の子どもたち、若者たちが菊池川からグリ石を運んでつくられています。地域の心のよりどころでもあった思い出深いこの校舎を何とか保存し、地域の活性化のため有効活用しようと住民の方々が中心となり協議を重ね、平成15年から子どもと農業体験の活動を中心にすえた、「きくちふるさと水源交流館」として開館し、現在地元NPO法人「きらり水源村」が菊池市より委託を受け運営しています。今回は毎月開催されているおいしい村づくりの企画で集まっていた小学生とお母さん方が稲刈りをされた後にお邪魔したので、HARUもお兄ちゃんたちにあそんでもらって終始ご満悦 さて、今回の食の樂校ですが、テーマは『考えよう!「食育・農育・木育」講師は石本 勉先生(見つける、育てる、こしらえる、食するを基盤としたみそこし応援団という、学校、地域社会が連携した学校応援組織を設立)と地元から菊池農業高校校長 宮崎 堅正先生。 お二人のお話を通してまず感じたことは、 今の食育のあり方と、お二人が携わっておられる食農教育の微妙な「ずれ」 食育をとおしてはぐくむ5つの力の中にも、作物を育てる力は入っていますが、「農」を看板に掲げるか否かでは感じる重みが全く異なることに気づかされます。事実、現在の食育で中心なのは食事のつくり方と、組み合わせ。栄養士としてはこの部分に一番携わることが多いことになりますが、食を選ぶことは一つの結果ではないかと思えてなりません。原因があるから結果がある。これは自然の法則ですが、自分の健康にそぐわない食べ方をしている裏側には必ず原因があるので、その原因を見つめなおさない限りは、方法論として「この食べ方がよい、まずい」といったところで表面的なものになってしまう気がします。その点、食農教育は、農をとおして大地を踏みしめ、作物を育てたり、自分たちの食材となる作物を育てる地域の人たちとふれあうことで、食事を単なる栄養補給とみなすのではなく、向こう側にある「いのち」のつながり、感謝の気持ちが見えますね。 また、お二人のお話で印象深かったお話に「地域と学校、子供たちがかかわることで、地域の農業者が誇りを取り戻せる。」があります。 地元熊本でも、農業関係の高校は12校ありますが、農業高校の名前が残っているのは4校のみ。他の高校は学校名から「農業」という言葉がはずされています。宮崎先生はこれを「農字隠し」と言われていました。みなさんもご存知かと思いますが、食料自給率が先進国の中でも40%をきっている国は日本だけですね。これから20年、30年先、世界的食糧危機は必ずやってくるでしょう。HARUの世代はこの問題に直面しなければなりません。でもそれが見えている人たちは極わずかです。それがこの「農字隠し」にあらわれていると言えます。また、米の消費が少なくなってしまった背景もありますが、「米をつくらなければお金がもらえる」という減反政策が、農業者が農業に対する自信と誇りを失う決定打になったと宮崎さんが語ってくれました。これは農家であったご自分のご両親の感想でもあるそうです。 今、教育の現場で食育の枠をもっと広げて食育を「食農教育」とし、農業者が農に対する誇りを取り戻すきっかけになれば、日本の食糧自給率や農薬などの食の安全を考える上で、非常に重要な要素になるのではないかと考えさせれました。安部新内閣が「教育の抜本的改革」に本当に取り組むならば、このことに気づいてもらう必要性を強く感じます。 今回は少し堅い話?になったかもしれませんが、「鉄は熱いうちに打て!」 今回私が受けた刺激を皆さんにもおすそ分けできればと思いましたのでご報告させていただきます。 次回の食の樂校もたのしみです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月09日 06時58分06秒
[食となかま♪] カテゴリの最新記事
|
|