テーマ:糖尿病(2614)
カテゴリ:医療となかま♪
週末に「糖尿病療養指導士」認定のための講習会に出席しました。
「糖尿病療養指導士」とは、日本糖尿病学会認定の資格で、看護師、管理栄養士、臨床検査技師、准看護師、理学療法士、栄養士に与えられています。数年前から受けたかったのですが、受講条件がなかなか整わず、やっと今回受けることができました。受講すればもらえる資格だったらいいのですが(笑)受講して、12月までに10症例の指導記録のレポートを提出しなければ来年3月にある資格試験も受けさせてもらえません。帰ってからもなかなか大変。 今回の受講の一番の収穫は、現在の西洋医学的治療の根本的考え方が、私がこれまで疑問を感じ、模索してきたことと一致し、非常にいい方向で変わりつつあることを実感できたことでした。 私が疑問を感じてきたこととは、「指導」です。指導という言葉が一方向的で好きではありません。実際学生時代の学外実習や、その他他院の見学で見てきた「栄養指導」は「あなたは1800kcalだから朝食のご飯は1単位(80kcal)50gを3単位食べましょう」という具合に、有無を言わさず患者さんに「指導」していくという場合が多かったので、境界域の糖尿病患者さんが対象となる場合が多い私は特に、そのやり方が嫌いでした。 しかし、現在の療養指導の最終目標は患者さんが自分の判断によって治療方針を決める能力を開発すること=エンパワーメントとされています。そのためには医療側と患者さんの信頼関係が大前提であり、一方的に指示することはなく、患者さんの声に耳を傾け、抽象的である心のもやもやを知識や情報を提供することで整理してもらい、現在の「自分」を客観的に自己評価、分析できる能力を開発して、生活習慣を変え、実行に移し、くじけそうになったら駆け込み寺になって一緒に躓きの原因を考え、また実行する。その方法を、科学的根拠に基づいて具体的に明確に提示してくれているのがこの「療養指導士」です。このプロセスをたどり、実行すれば、医療従事者がある程度均一なスキルを身につけることができ、患者さんをエンパワーメントすることができます。今まで試行錯誤しながらやってきたことの「答え」みたいなものが明確に目の前に現れたような感じで、今まで一緒に糖尿病教室をやってきた保健師Hさんと共に、睡魔に襲われることもなく夢中になって2日間の集中講義を受けました。 それにしても、「試験に受かれば終わり」だった学生時代に比べれば、歳はとっても日常とリンクしている今の方が、情報が頭にしっかりはいるものですね。今日からまたやることがいっぱいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月30日 06時32分14秒
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