テーマ:今、健康ですか?(254)
カテゴリ:食となかま♪
「たべもの」のすべてをカロリーや栄養素だけで語ることには抵抗がありますが、やはり分析した数値とは「食べて体を維持する基準のものさし」として非常に意味のあるものだと思いますし、知っておく必要もあると思います。
食事相談をしていると、中高生や20代の若者といっしょに生活されている方々の多くが「うちは食べ盛りがいるのでどうしてもおかず(肉類)が多くなります」とおっしゃいます。「成長期にはたんぱく質が必要」ということが根本にあると思いますが、具体的にたんぱく質はどれくらいとることが「基準」になるのでしょうか。 成長期とは男の子で中高生ごろ、女の子で小学校高学年から中学生にかけてということになると思いますが、この時期のたんぱく質の推奨量は男の子で65g/日、女の子で55g/日です。ちなみに18歳から69歳男性のたんぱく質摂取推奨量は60g/日、同じく女性では50g/日。それぞれその差は5gということになります。 例えば、以下の食品を1日にとったとします。 ごはん… 160g(ちょい多目の茶碗1杯)を朝昼夕 以下は1日のどこかで摂取 じゃがいも … 1個 さんま…1匹 ウインナー…2本 たまご…1個 納豆…1パック 豆腐…1/8丁(50g) 牛乳…コップ1杯(120cc) 以上でたんぱく質はだいたい60g/日くらいとれることになります。 ちなみに、ごはんを1杯160gではなく1杯200gにすれば、たんぱく質は65g/日とれることになります。 学校給食がある子供たちは給食で牛乳も飲んでいますし、おかずも肉や魚など、ボリュームのあるメニューになっているのではないでしょうか?ちなみに小学校低学年でも男女ともたんぱく質摂取推奨量は50g/日です。そんなに「お肉のオンパレード」にする必要はないことが分かりますね。また、激しい運動をするとたんぱく質の必要量は増しますが、適度な運動では、たんぱく質の利用効率を高めて必要量を抑えるので必ずしも「運動すれば必ずたんぱく質が必要になる」とは限りません。激しい運動を仕事としているアスリートの方たちの日常がメディアで身近に感じるせいでしょうか、若い人たちでもそんなに運動しているわけではないのにプロテインや過剰な肉食をしている人たちが多いですね。必要以上のたんぱく質をとっても脂質や糖質のように体に貯蔵されるしくみはないので、余分なたんぱく質は腎臓で処理されて尿中に排泄されます。腎臓は血液をろ過しておしっこをつくっていますが、実に全身の血液の1/4が握りこぶし二つ分の大きさのこの臓器に常に入っているのです。不必要なたんぱく質摂取がいかに腎臓に負担をかけ、腎臓の毛細血管に負担をかけることになるか、おわかりいただけるかと思います。 そういうわけで、現在の「たんぱく質信仰」をちょっと改めて、相変わらず毎年摂取量が低下し続けている「穀類」の摂取をもう少し増やす方向で「昔ながらの1汁1菜」を「基準」にして、毎日の食事を考える必要がありそうですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年11月10日 21時50分15秒
[食となかま♪] カテゴリの最新記事
|
|