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♪たなひろの医食農日記♪

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2006年11月26日
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カテゴリ:食となかま♪
 きらり水源村で行われた第3回「食の樂校」の1日目「食の聞き書き調査」に調査隊として参加してきました。


 この「食の聞き書き調査」とは、水源村周辺の集落のおじいちゃん、おばあちゃんに、昔の日々の暮らしや行事、それにまつわる食についてお話をお聞きし、記録に残す取り組みです。個人的に「座」の真相究明ができることへの期待も含め、楽しみにしていた企画の一つです。

「座」って聞いたことありますか?私の職場では、地元の人が「今年はうちが座元だ」とか話しているのをよく聞きます。

 「座」とはこの地域で古くから行われている五穀豊穣の感謝祭のようなもので、私が今回お話を伺った集落では5つの座組があり、この集落の神様が1年ずつ、この5つの座組を順番にまわることになっているそうです。順番が回ってきた座組がその年の「座元」になります。さらに「座元」になった座組の中で、神社の神官さんがお払いで使う玉ぐしで、各家庭の氏名が書かれたお札をなぞり、玉ぐしに引き寄せられるようにくっついてきたお札の家を、神様が1年間お住まいになる家として決定されています。

 神様がお住まいになる家には、男の人たちの手で竹を切り出し、組み立てられたお供え台が設置され、お神酒、女性の手によって作られた海のもの、山のものの料理、そしてその年とれた農作物などがお供えされます。また、この座祭でもうひとつ決定されるのが、福岡県の大宰府天満宮に初詣に行く代表者(2名)です。この集落にある菅原神社の大元ということで、村の代表者が汽車に乗って泊りがけで(今は自家用車で日帰りですが)戸数分のお札をもらいに行くのです。なお、代表者の決定方法は同じく玉ぐしのおみくじ方式です。

 座祭は12月12日、13日ですが、その他にも3月にはお寺のおとりこし(先祖供養)、人、牛馬の御願たて(家族、農業にかかせない牛、馬が健康に過ごせますように願う)、6月30日は無病息災を願う輪くぐり(伝染病がはやるこの時期に難を逃れるために祈願する)7月盆などの行事があり、実際はこの倍以上あった行事が現在は省略化され半分以下に減ってしまっているとのことでした。

 私が意外だったのは、私が想像していた「普通食」が「行事食」相当するものだったということです。山間地だけに、いのししとか地鶏とかを特別なときは食べていたのではと思っていたのですが、正月に少し鶏肉が食べられていただけで、行事食としてあげられるもののほとんどが「ごはん(白飯)、味噌汁、がんもどきの煮物、酢の物、魚の煮付け、つけもの」でした。では、普段は何が食べられていたかと言えば米は1/3程度で、後はイモやあわ、麦などを入れた雑穀飯と漬物、味噌汁くらいのものだったということ。白飯が貴重だったとはいえ、戦後もこのような生活が長く続けられていたこと、神様にお供えするための白飯だけは日頃辛抱しても残しておくほど神様に一生懸命だったこと、よそに働きに出て現金が増えるにつれ、白飯がありがたがられなくなると共に祭りの数も減っていったことなど、時代の移り変わりを感じさせられ、考え深いものがありました。また、行商人が魚を売りに来れば農作物との物々交換など、ほとんど現金なしで済んでいたようですが、蚕(かいこ)を自宅で飼ってまゆをつくり、紡績工場におさめる家も多かったとか。それでこの地域では蚕のえさになる桑が盛んに植えられていたそうです。(今では桑畑が栗林となり、栗が収入源の一部となっている)お話をお聞きしたおばあちゃんが「お嫁入りの時に持ってきた着物も自分で仕立てた」といわれていました。仕立てた=反物を買って仕立てたのではありません。仕立てたというのは、まゆ玉を売らずにとっておいたもの(1着につき約4kg)を絹糸として紡ぎ、それを染めてはたを織り、反物にしてから仕立てたという意味です。その着物の中の一着がこちら。

   着物


 これには驚きと感動でしたね~。気が遠くなるくらいの話ではありません。ただ、着物を見せてもらった最後のひとこと「この着物、持ってきたけど着ていくところがなくて結局一度もきてない」笑って話してくれましたが、「生きる」ことの重みを感じさせられる一言でした。

 自然と一体となって生きるためにひたすら働き、そうしてできた食べ物をいただくことで、いのちをつなぐことがいかに尊く、奇跡的なことであるかを身をもって体験してきたおじいちゃんおばあちゃんたち。今の私たちの生活は、生きるために必要な大半の過程を誰かにやってもらって(発展途上国の人たちがそれを担っている部分も多いと思われます)その上でしか生きられていないということを突きつけられた気がしました。その事実に気づかされるとともに、本来生きるとはこういうことだということを実践できなくても「伝承していく」大切さと必要性を感じることができた貴重な一日でもありました。他にもまだまだ興味深いお話が聞けましたので、のちのちUPしていきたいと思います。








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最終更新日  2006年11月26日 06時23分27秒
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