テーマ:農のある暮らし(1199)
カテゴリ:農となかま♪
6月24日に「食と農をたのしも~会」を開催しました。
当然のことながらただいま梅雨前線真っ只中。農をたのしみたい私たちとしてはもやもやな季節ですが、「季節に寄り添う」こともこの会の大事なテーマ。 そこで今回は伝承館の中だからできることも考えました。 1つ目は夏至の日の「キャンドルナイト」にちなんで、 「夜空を見上げてお月様を見てみよう」 あいにくの雨続きで、月の形を確認できるまでにはいたりませんでしたが、月の形の話から「旧暦の話」へ 今日は6月24日だけど、お月様のカレンダーでは5月10日 この事実は結構子供たちにとってセンセーショナルだったようで(笑)いつもつかっているカレンダーの隅っこに書いてある「旧5月○日」の文字に「へ~!」という喚声があがっていました。ちなみに今月は満月が2回くる月なんですよ。大変めずらしい貴重な月。Naoさんいわく、満月が2回めぐってくる月に出会ったことは必ず未来に実ると言われているそうです。 そして「小麦を小麦粉にしてみよう!」の体験がはじまります。 「小麦の種を蒔くのはいつ?」「せっかく芽ができてたのに踏んじゃうのはなぜ?」 などなど、Kさん夫妻の小麦成長記をみながらみんなで考えることからはじまりました。 小麦は収穫までに半年を要し、芽が出た1月くらいに「麦踏」をするんですね。大人も一緒になって「そうなの~」と聞き入ります。 そしていよいよすり鉢で小麦をすります。しかしながらこんなタイトルをさらっというのがおこがましいくらい小麦を粉にするって大変なこと。 結局「粉」にはほど遠い状態でしたが、少なくとも私の頭の中でようやく 「小麦粉」ではなく「小麦→小麦粉」 としてインプットされました。 「1を知って10を知った気になるのが一番怖い」 こうして体験してみると、あらためて「知識」として「知っているつもりになっていること」がいかに多いか気づかされます。 雨の合間をぬって、今回も外で2つのことを体験させていただきました。1つ目はさつまいもの苗植え さつまいもっておもしろいですね。「植える」というより「差し込む」という感覚です。サツマイモのつるをばつんと切って土に植えると、そこから根がでてくるというたくましい植物。戦時中の日本人の胃袋を支えたのもさつまいもだったとのこと。ところで、この「さつまいも」というのはやせた土地ほどおいしくできると聞きます。ポニーの伝君作の堆肥が効いているY農園で果たしておいしいさつまいもができるのか?収穫が待ち遠しいです。 2つ目の体験は「ごぼう掘り」 ごぼうは通常1mちかくありますので、大量に生産されて市場に下ろされる農家さんは機械でも使わない限り大変な労働量になるそうです。Kさん夫妻は丁寧に手掘りして泥つき、香りつきで出荷されるため「サラダごぼう」を主流につくられているのだそう。というわけで、子供たちも比較的簡単に抜くことができました。抜くごぼうが長かったり短かったりで子供たちの表情も悲喜こもごも。 今月の「旬」はこの「ごぼう」と「赤キャベツ」「にら」「にんにく」そして「小麦粉」旬から発想した今回のお昼ご飯は「餃子」と「酢ごぼう」でした。 もちろん餃子は皮から手作り。皮をのばすところが子供たちにとっては一番むずかしかったようで、悪戦苦闘していましたが、100個以上の餃子ができました。(作業に熱中しすぎて写真をとるのを忘れていました)ごぼうはみんなが収穫してきたものを切って、さっと湯がいて甘酢につけます。ごぼうをつけた後の甘酢はぎょうざにかけて。ほんのりごぼうの風味がきいたおいしい甘酢になりました。 今回は「いただきます」「ごちそうさま」の意味をちょっと考えてもらう時間も作りました。「いただきます。」は私たちのいのちを支えてくれている自然に感謝することば。 「ご馳走さま」の「馳走」という言葉には「走り回って材料を集めてもてなした人」に対する感謝の意味があるそうです。だから、最後のこの言葉は「一緒に食事を準備した仲間への感謝のことば」です。 今回で3回目になるこの会でずっと考えていることがあります。 「食育って何?」 シュタイナーが言っていることを自分なりに解釈すると、過去から現在までの経験をいかしながら自然界と調和することが、自然界の動植物の中で唯一「自我」を与えられている人間の役割。 だとすれば、もし食育が「健康であるための食の手段を考える教育」であったり、「健康であるためにはこういうものをこういう食べ方で食べたほうがよい」ということが柱になっているとしたら、「調和」という言葉の響きとは程遠い気がします。 シュタイナーがいう「過去から現在までの経験をいかす」というのは、自分が生まれて今まで過ごしてきた時間だけではなく、もっとスピリチュアルな、無意識の部分にあるのであろう過去の経験も含まれているわけですが、そういった 「過去から現在までの経験と、自分の体、自然界が調和する、一番ここちよくいられるには?」 ってところをコンセプトにしていれば、おのずと何を食べるか、どういう行動をとるかが決まってくるような気がしますね。 健康にいいからと食にこだわるのと、調和を考えていたらこういうものを中心に食べるようになって、結果的にこだわっているように見えるのでは全然ちがうとおもうのです。 「自然」と、私という「心」と「体」が調和する、みんなが心地よくいられるから私は今これを食べる、考える、行動するという感覚を忘れないで生きていこう。子供たちにも、子供を育てる大人たちにもそんな気持ちが伝わればいいなと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年06月30日 06時07分55秒
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