テーマ:食のある風景(19)
カテゴリ:食となかま♪
「学生の頃、こんな先生に出会っていたなら…」と思える先生がいます。香川県の「元祖弁当の日」の竹下和男校長先生と「大学生の弁当の日」で学生の一生のhappyを本気で考え続ける九州大学農学部助教授の佐藤剛史さん。
先日行われた「大学生による大学生のための食育ワークショップ」に参加しました。昨年夏の夏期セミナーで講師として来て頂いた竹下先生とは半年振りの再会。竹下先生と奇跡の女子高生mikoちゃんはこのセミナーで竹下先生と「弁当の日」に出会い、「生徒主導の弁当の日」を実践した最初の一人になりました。「弁当の日」には 学校の授業の一環として子どもの力だけで作る「元祖弁当の日」 1品持ち寄り形式の「九大方式」 しがらみの多い学校の先生でもやる気があればできるという、遠足の日などを実践日にした「イナマス方式(初めて実践された稲益義宏先生の名前から命名されている)」 などがあるほか、地域や公民館、職場、高校でもと、その取り組みは全国に広がっています。(こちらのブログも読んでね。)今回はこんな素敵なパンフレットが完成していました。この中にもmikoちゃんの取り組みが紹介されています。もしかしたらあなたの元にも、届くかも? 「弁当の日ノススメ」 竹下先生は弁当の日をさらに進化させ、学校で「鍋の日」を実践されているそうです。生徒たちが学期末にお世話になった先生を招いて行う鍋パーティー。3時間の授業枠をぶち抜きにして、「献立を考える」「買い物に行く」「鍋を作ってみんなで囲む」。次から次へと流される鍋の日のスライドショーが会場の驚きと笑いを誘います。鍋にたこを入れていたり、絶対火が通らないだろうと思えるほど分厚く大根を切って鍋に放り込む、買い物カートに買い物袋をのせたまま、学校へ押して帰ろうとしたりする生徒の姿も。しかし、先生はこう言われます。「子どもは失敗を補償されている生きものです。失敗する前に口や手は絶対だしません。」もちろん生徒も真剣です。「どんな風にしたら先生が驚いてくれるかな?感激してくれるかな?」そんな作戦会議を楽しそうにしている生徒たちの姿も、その笑顔もとても印象的でした。 ただ、ひとつどきっとさせられたことがありました。グループワークで同じ班だった女子高生。彼女は竹下先生のスライドを見た感想をみんなで話していたときに 「私はあのスライドを見ても笑えなかった」 というのです。聞いてみれば「これまで家で鍋をしたことがない」とのこと。「したことがないから、きっと自分が作ってもあんなことをすると思う」でも彼女はいいました。 「私もキムチ鍋が作ってみたいな。家族にも食べさせたい。」 佐藤剛史さんとの出会いも昨年の夏期セミナーでした。その時初めて「ファシリテーター」という言葉に出会いました。大学生による大学生のための食育ワークショップは今回で4回目を数えるそうです。 剛史さんはいいます。 「大学生を中心とした食育イベントを行う際の基本哲学。ひとつは学生が主体であること。食育ワークショップはそこで学ばれるコンテンツも重要であるが、それを作り上げようとするプロセスも重要である。そのプロセスを通じて学生は企画力、マネジメント能力、コミュニケーション能力などを習得していく。大学の一般的な授業ではそうした能力を習得させることはできない。大学生はハマった時の力がすごい。大人ができないようなことも軽々とこなしていく。 そして2つ目は双方向、参加型であること。一方的に話を聞くだけではなく、参加者一人ひとりが考え、発言し、皆の意見を聞くように工夫されている。食育は先生の話を一方的に聞く、習得すべき内容が決められ、それを着実に学んでいく性質のものではない。時には友人同士が、大人が子どもから教えられることもある。 3つ目は純粋に楽しいこと。大学生は楽しむこと、楽しみを作り出すことの天才である。楽しくなければ長続きしないし、広がらない。そもそも食は楽しいものだ。この3つの基本哲学は行動につなげるためである。いくらいい話を聞こうが、知識を増やそうが、主体的でなければ、楽しくなければ、応援してくれる仲間がいなければ行動には繋がらない。行動に結びつかなければ食育は無価値である。」 今回、大学生の弁当の日は「弁当の日~食べ盛りの君たちへ~」という一冊の本になりました。4月に発売予定とのこと。私は弁当の日をこれからも本気で応援し続けたいと思っています。ブログをみて興味がある方。ぜひご連絡ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月27日 00時49分59秒
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