テーマ:農のある暮らし(1199)
カテゴリ:農となかま♪
皆様ご無沙汰しております~。7月の農と食を楽しもう会のご報告です。
前回はMさんの田んぼで田植えを体験させていただきました。ここKさんの畑は2ヶ月ぶり。5月に見たあの青々とした麦たちは、今回思いがけずこんな形での再会となりました。 みんなで麦を踏み、Kさん夫妻が収穫して完成した「養生うどん」 この小麦にできる限りかかわりたいとの思いから、お二人は機械を使わず、一株一株大切に手刈りしたそうです。その後、無農薬小麦しか扱わず、昔ながらの製粉機でゆっくりと時間をかけて外皮ちかくまで製粉をしてくださる製麺所にお願いし、水と自然塩だけを加えてこのうどんが完成したとのこと。 今回はこのうどんの試食と、夏ならではの一品「ざる豆腐」をみんなで作る体験を企画しました。 作り方はネットやふるさと食の名人集などをみても様々な方法があるようですが、今回は昨年、「棚田食育士初級講座」で水俣市久木野の食の名人Nさんに教えてもらった方法で挑戦。 一晩つけておいた大豆をミキサーへ。どのくらいの固さまでミキサーにかけるかは、Nさん直伝の「100数えたくらいがちょうどよか。」にしたがって忠実に再現。大体2分間くらいでしょうか? その後、大鍋に移して、火にかけて、沸騰する直前で2回差し水をします。火が通ると、青臭いにおいから甘い豆乳の香りに変わります。 濾して、豆乳とおからに分けるのですが、今回は濾し袋として「手ぬぐい」を活用しました。最近は何かの景品として「手ぬぐい」をもらうこともほとんどありませんが、これをふきんにしたり、古くなったら裂いてはたきにしたり、怪我をしたら包帯代わりに使われたり、切れた下駄の鼻緒の代用などなど用途が多かったとか。無駄のない日本の知恵のひとつですね。 豆乳は70℃~80℃でないとにがりを入れても固まらないため、再度火にかけます。おからはこのあと卯の花に変身しましたが、市販のものよりも大豆の味がずっと残っていて「おから」というよりもご汁の「呉」と言ったほうがいいくらい。味付けは薄くても、おいしい卯の花になりました。 豆乳ににがりを加えた後、10分ほど蓋をして蒸らしたものを、下にボールをしいたざるに固く絞った先ほどの「手ぬぐい」の上にそっと広げます。 「さらさらしとる」「ほんとに固まるの?」ゼリーや寒天のように固まったものがでてくると想像していた子ども達はとても不安げでしたが、やがてこんな豆腐が完成しました。 うどんも豆腐も、はじめは何もかけずそのままでいただくことにしました。舌で味わうだけでなく、鼻から抜ける風味を一緒に味わう感じ。なんというか味が「立体的」なんですね。その後、お醤油バージョンでもいただきましたが、そこで今回使ったのが「生揚げ醤油」です。本醸造で発酵熟成されたものを過熱処理する前のお醤油でまさに「生きた醤油」です。九州のほうは特に甘い醤油が人気で、甘くない醤油は「鹹い(からい)醤油」と評価してしまう風潮があります。今回この醤油は確かに甘くはないですが、鹹くもない。これもまた味が立体的で奥が深いのです。今回も大人も子どもも初めての貴重な経験がたくさんできました。 ところで、このところのブログ更新のとどこおりをご心配してくださったみなさま、ありがとうございます。毎年そうですが、夏はとても忙しくてあわただしく過ごしております。まさに「休む暇がない」状態… ところで、「暇」は用事のない時間のことを指すようですが「隙」とは物事と物事の間に横たわる時間そのものを意味するようです。その時間に人がかかわり心と手を尽くすことが「手間隙」今回挑戦した豆腐も、麦踏みからみんながかかわってできた養生うどんもそういう意味で「手間隙」がかかっているといえるでしょう。確かに今は「暇」はありません。でも、暇がないから「手間隙をかけられない」わけじゃない。忙しい中の「隙」をどういう気持ちで過ごし、かかわるのか…あらためて考えさせられる貴重な時間になりました。この企画があるから、日常のあわただしさに飲み込まれたり流されっぱなしにならずに立ち返ることができているような気がしています。ブログはこんな調子でぼちぼち更新ですが、引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月02日 22時35分13秒
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