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♪たなひろの医食農日記♪

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2008年08月23日
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カテゴリ:農となかま♪
暑かった夏ろそろ終わる気配ですね。

私にとっての夏の一大イベントである、「医食農夏期セミナー」職場で29年続いている事業で、今年も39名の方にご参加いただいて、2泊3日共に同じ釜の飯を食べつつ有意義な時間を過ごすことができました。

セミナーの真ん中に当たる2日目には、公開講演会を開いているのですが、(ちなみにセミナー参加者以外の人も、この部分は無料でお話が聞けます。)今年の講師は宇根豊(うねゆたか)さんでした。

宇根豊さん
1950 長崎県島原市に生まれる
1973 福岡県農業改良普及員となる
1978 減農薬運動を提唱・普及
1988 新規参入で就農
2000 福岡県庁を退職。農と自然の研究所設立

「農薬?とんでもない、無農薬、せめて減農薬でなくちゃ」今現在、この食に対する価値観を多くの人が持っています。日本の農業人口は3%。そんな中、食料自給率は40%「先進国中ダントツ最下位?これはいけない、なんとかしてもっと自給率あげなくちゃ!」
でも、こんな問いを投げかけられたら…みなさん何と答えますか?

「有機・無農薬栽培、安全安心の食料を確実に輸出するという国があれば、日本に農業はいりませんか?」

「何が起きても絶対に、裏切ることなく確実に食料を輸出するという国があれば、日本に農業はいりませんか?」


こんな答えも返ってくるかもしれません。


「遠くから食料を輸入すると、輸送に莫大な燃料が必要だ。環境にもよくないぞ!」

フードマイレージという考え方もありますね。では、

「環境に負荷をかけない輸送手段が開発されれば、日本に農業はいりませんか?」


ここまでくるといたちごっこなのですが(苦笑)でも普段私たちがまっとうで当然のことだと思っている思考や発言を、自分自身は本当はどう考えているのか、なぜそう思うのか、ほとんど考えずに、誰か(偉い人とか有識者とか)の発言を無自覚無意識のうちに同化させてしまっていることにまず驚かされます。
農業の価値を考えたとき、食べものの安全、安心、必要量の安定供給以外に何があるのでしょう?

宇根さんの問いは続きます。

「赤とんぼは好きですか?」

会場では大半の人が「好き」と答えました。一部、「何とも思わない」という人たちもいます。嫌いはゼロでした。

「なぜ好きなんですか?」

という問いに「なんとなく、風情がある。」「昔を思い出す。」「夕焼けこやけの赤とんぼ♪」と答える客席。心の中にある赤とんぼの思い出や風景があるようです。

私たちが「風情があるな~自然っていいな~」と思っている四季折々の景色の大半は百姓が作っているんだ!というのが宇根さんの主張です。日本から農業が消えれば、食料は確実に輸入できたとしても、赤とんぼは確実にいなくなります。なぜならトンボの99%は田んぼで生まれているからです。赤とんぼとの特別な関わりもなく、大人になればとんぼを見ても「何とも思わない」安全安心に興味はあっても、身の回りの自然が少しずつ消え、季節感が消えていくことに抵抗感はないかもしれません。農の価値が食べものの安全、安心、安定供給だけですか?といわれたときに、「なんとなく違うな~」というもやもや感があるかないか、そのあたりが最後の砦かもしれませんね。普及員という指導的な立場であった宇根さんが、一方通行ではなく、お百姓さんたちと共に田んぼに入り、生きもの調査を行って、害虫、益虫、ただの虫の分布を調べ、田んぼの生態系を知り、必要上に使われていた農薬を減らす運動を地道に展開されたことが、今日の減農薬、無農薬栽培の農産物の流通につながっていることはいうまでもありません。その裏側にはお百姓さん自身の農薬による深刻な健康被害、それでもなお、売れなくなったら生活が立ち行かないからとその事実に目をつぶってきたつらい過去と葛藤も見えてきます。しかし私を含め、残り97%の消費者はあまりにも目の前の食べもの以外、その向こう側のことを知らなすぎることを改めて痛感しました。

最後に宇根さんはこういわれました。「生きもの調査なんてこざかしいことかもしれないれど、農へのまなざしを取り戻すきっかけになれば」

「まなざし」

科学が発達し、世界が情報で繋がって昔の何十倍、何百倍の速さと量の情報を私たちは手にすることができるようになりました。そしてその情報に、より詳しい人たちの集団ができ、より専門的に分化することになります。例えば私の職業は管理栄養士。その中で、専門職として果たせる役割や使命とはなんだろうと考えたとき、この食べものが体にいいとか栄養があるとかないとか。それ自体を知っている、身につけていることを、知らない人たちに向けて情報を振りかざすことではなく、食と自らの体とのつながり、また食が農や自然へつながっているということに、まなざしをむけ、気づくきっかけとなって初めて生かされることなのかもしれません。今回私の中に一番大きく響いた言葉でした。










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最終更新日  2008年08月23日 08時29分08秒
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