テーマ:農のある暮らし(1199)
カテゴリ:農となかま♪
またまた更新が遅れてしまいましたが、9月21日に「農と食を楽しもう会~稲かり直前企画・田んぼの観察会~」を行いました。
昨年までは、田植えをして、その後いきなり稲刈りというパターンだったのですが、苗をもらい、家でバケツで育ててみるとその成長過程でも無意識だったいろんなことに気づかされました。今回は、そんな「普段気がつかないこと、無意識でいること」をあらためて意識してもらうことをねらいに、観察会に入る前にグループワークを設けました。 まず、みんなに好きな食べ物をどんどんあげてもらって、その中で、「毎日食べても飽きない食べもの」について考えてもらいました。 「俺、あめ玉だったら毎日でもいけるな~」という声もある中、「じゃぁ、毎日それしか食べられないといわれたらどれを食べるか?」に話が発展。結局残ったのは「ごはん」と「水」と「牛乳」でした。 ちなみに牛乳は、子どもたちの意見。理由は「毎日給食で出てくるし、毎日飲まなくちゃいけないんだよ。」とのこと。水は、「のどが渇いたらがまんできない。」ごはんは?と聞くと、「お米を食べないと力がでない。」とか「お米を食べなかったらすぐおなかがすいてしまう。」という意見でした。 力の元になる栄養がたくさん入っている食べ物はごはんだけではないけれど、よその国に頼ることなく、身近な農家の人たちが作ってくれる作物で、みんなが主食として十分食べられる穀類は「お米」だけだということ、今はよその国の安い食べものがたくさん入ってくるからお米を食べる回数も、量も減ってきていて、そのためにお米を作っている人たちもだんだん減ってきているという話。子ども達も頭をひねりながら考えてくれた後だっただけに、神妙な顔で話を聞いているようでした。 その後、雨脚が強まるなかで、田んぼの観察会に入ります。 観察ポイントは3つ 1.自分たちが手植えした田んぼと、お隣の機械植えしてあった田んぼとの違い。 2.どんな生きものがいるか? 3.1本の稲にお米が何粒育っているか? 手植えした後は、隣と比べるとちょっとさみしいというか、スカスカしている印象があった私たちの手植えの田んぼ。今は、隣と区別がつかないほどびっしりと成長しています。「隣よりも株と株の間隔が広いね。」という意見も。お世話してくださったMさん曰く、「間隔を広くすることで、風通りもよくなり、養分も行き届きやすくなるようです。」とのこと。最終的には植えた本数は少なくても、たくさん分蕨して1本1本がしっかりした稲に生長し、大粒の米を実らせるようです。 この1本の稲にお米が何粒育っているのでしょうか?それぞれグループごとに予想して、数を数えてもらいました。 結果1本の稲に約100粒のお米が実っていることがわかりました。 1本の稲に100粒。では、1株で何粒のお米が実るのでしょう? 実は、1株で実るお米は約1000粒。1000粒のお米は重さにして約20gです。 ということは、お米をごはんにすると、1杯はお米3000粒分(=3株分)ということになります。 この3株=1杯ぶんのお米が育つと、その周りではどのような生きものたちがいるのでしょうか? 残念ながら、今回、雨脚が強かったため、生き物の観察が十分できませんでした。その中でも元気に飛び回っていたのがやはり「カエル」たちです。稲を刈るころになると、田の生きものたちは徐々に姿を消すといわれます。青々とした稲は子孫を残すために種(米)を実らせる。その種を狙ってすずめなどの鳥たちがつつきにやってくるのもこの時期です。田んぼという舞台で、生きものが育ち、食べたり食べられたりを繰り返しながら今も、昔もこれからも、命はつながっていく…それをずっと代々見守って来たのがお百姓さんたち。お米と生きものとお百姓さんの関係。私たちが食べものとして米を選んで食べるということは、お米そのものと、そこで生かされている生きものと直接繋がることでもあるわけです。環境を守るために日本人のほとんどの人たちが参加できること。それが日本の米を食べる続けることなのかもしれません。 次回10月はいよいよ稲刈りになるわけですが、その前に、お米をおいしく炊けるようになろうということで、今回からたのしもう会では「羽釜」を購入、みんなで釜戸でごはんをたくことにしました。 実は伝承館では、今もKさん夫妻が愛用している五右衛門風呂が現役で活躍しています。「羽釜も五右衛門風呂も理屈は一緒だよ。」とKさん。子ども達は五右衛門風呂でもおおはしゃぎ。 出来たてごはんと共に、今回参加者に呼びかけたのが「我が家のキング オブ ごはんの友を一品ずつ持ち寄ろう!」という企画。集まったおかずを見て驚いたのが、みんな使っている食材がほとんど一緒(笑)時期はずれの生野菜を持ってきている人は1人もいませんでした。旬や季節に寄り添うことをテーマに取り組んできたことが、みなさんそれぞれに伝わっているようで、スタッフ一同うれしくなったひと時でした。 いよいよ来月は稲刈りです。台風がこのまま来ないことを祈りつつ、大勢で手狩りするのが楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月07日 04時58分28秒
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