少年A
2日前に、読み終えた「少年A矯正2500日全記録」。 読み進むうちに、暗く悲しい思いになったり 驚いたり、少しホッとしたり・・ そして最終的には 遺族の家族のことを思うと どうしようもない悲しみが湧いてくる・・・ 酒鬼薔薇聖斗。 この名前を聞いたら、思い出さない人はいないだろう。 「少年A」 この言葉が、日本全国をかけめぐった、あの神戸の事件を。 Aが矯正され、退院していくまでの記録を、かけ足で 書き綴ったこの一冊。 「Aの矯正の過程が、深いところまでは、掘り下げられていない・・」 というのが正直な感想だったが それでも、大まかに流れが分かった。 今までの私が知っていた、この事件の情報では、 Aが犯行に及んだ原因は 家庭での厳しすぎる躾けと、愛情不足であった ということだった。 が、 この本を読んで、犯行の原因のひとつに 「性的サディズム」があると知った。 「男子としての性中枢が未発育だったことによる問題」 ・・それが、原因のひとつだったとは。 正直、ショックを受けた。 詳しいことは、本を読んでいただきたい・・。 私は、Aの母が書いた手記、そして 被害者の家族の書いた手記も、続けて読んでみようと思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・◆ 近頃、殺人事件が日常茶飯事になっている・・。 その原因はさまざまだろう。 恨み、誤解、金銭トラブル・・原因がはっきりしたものから 「誰でもよかった」 「一度、人を殺してみたかった」 など、救いようのない原因まで挙げられる。 そして「精神の病によるもの」・・。 「何故、こんな事件が起こるのか」 「何故、こんな世の中になったのか」 どこから狂っていったんだろう。 戦後の日本の歴史の、どこらあたりから・・?? 以前、ネットの掲示板で、こんな書き込みを見て 驚いたことがある。 【何故、人を殺してはいけないのですか?】 という少年の質問に 【さて、何故だろう】 と悩み、答える大人の姿だ・・。 「何故」??? 何故、殺してはいけないのか。 という質問が出ること自体が、おかしい。 そして大人は本来は 【いけんもんは、いけんのんじゃ!】 と答えておけばよいはずだ。 (もし、質問の本人が目の前におれば 頭のひとつでも、叩きながら) 何故、一緒に答えを探すのか。 理由をグダグタと並べて 【・・(云々)・・だから、人を殺してはいけないんだよ】 と諭す必要がある事態がおかしい。 説明すればするほど、 空虚に聞こえるのは気のせいだろうか。 【いけんもんは、いけんのんじゃ!】 そう言い切ってよい質問だ。 また、あるドラマのワンシーンでこんな場面を見たことがある。 トレンディドラマのワンシーンだが 25歳くらいの男女4人が、こんな会話をしているのだ。 【ねぇ、いつになったら私達、大人になれるんだろう】 【大人になるには、どうしたらいいんだろうね】 。。。と。 私は持っていたガラスコップを、取り落としそうになった。 冗談ではなく、本当に。 25歳にもなって 「いつ大人になれるんだろう」だ?! あほか!!!! ・・頭がくらくらした・・。 ・・どこか、おかしい。 確かに、おかしい。 なにかがゆがんでいる。 しかし、どこが・・・?? 教育が? 政治が?? 一体なにが原因なんだろう・・。 現代人の心に巣食う病魔は、着実に広がっている・・ そう思えて仕方が、ない。 それにキチンと向き合う時期が きているんではないのだろうか・・。