本当に大切なこと

今、僕に勇気や元気をくれているあの人がこころ痛んでいるとしたら」、
僕には何もしてあげられないけれど、せめて僕の好きな愛読書から
メッセージを贈りたい。ゴメン！自分の言葉で伝えられなくて・・・・

ふと、泣きたい気持ちになった時、今までは、友達と本当に呼べる人や、
ましてや親友なんて人は自分にはひとりもいないから、
いつも、泣きたくなったら、ひとり、部屋で思う存分泣いてきた。

つきあっていた人との不意の別れで、
ぽっかり気持ちの中が、おそらく、一瞬だと思うけど、空洞になっている今、
お酒を飲みながら、そんな人がいたら、いいなぁと思った。

最初は他愛のない話とか、相手の恋の話とか聞いて上げる余裕を持っている自分に、
何だ、意外と大丈夫かもしれないと思ったりして、
それでも、まるで順番のように自分の主題に入っていた時、
ボロボロと涙が止まらなくなった。

別にそれがあなたではなくてもわたしは泣いたと思う。
だって、たぶんわたしはギリギリまできていたし、
今晩、この人に会ってなくても、
強いお酒とか飲んで、強制的に涙を身体の外に出していたと、
いつもしているようにしていたと思った。

ただひとつ、大きく違うことに、しばらくして気が付いた。
おそらく、あなたはわたしの様子を察して、
このバーを選んでくれたのだろうと思ったけれど、
気が付いたのは、そんなことではなかった。

声をこらえて泣く私ををじっと見守ってくれて、「大丈夫さ」と、言ってくれた。


友人と呼べる人。
辛い時に会いたいと思える人には、
ひとり部屋で泣いている時にはない言葉を持っている。
それはおそらくどんな言葉でもいいのかもしれない。

そのときのわたしにとっては、あなたのそのひとことが、なにか大きな、
落ちていきそうなわたしのいつ部をどんなにささえてくれただろうか。
わたしにはおそらく、恥ずかしいけど、そんな大役はつとまらない。

誰もおそらく、悲しみをわたしに打ち明けようとは思わないだろう。
しかし、逆にそれを考えることが出来た時、
はじめて、自分はその人にとっての、友達になるのかもしれない。

人に支えられたくないと、ずっと思ってきたし、
自分さえしっかりしていれば、何でもちゃんと進むと信じいた。

友達とは何だろう。

『恋、いろいろな、関係。』　ｂｙ、ナガオカケンメイ