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カテゴリ:本のひととき
今日は、本棚より何となく目に留まった一冊から・・・・
社主一家の権威を失墜させることによって、 その企業をほぼ手中にしたある人物をのことを、わたしはいま想起している。 彼は社業が困難な一時期を巧みに利用して、社主一家の愛顧を受けるようになった。 彼は自分に影を落としかねない幹部や顧問をすべて放逐した。 そういうときの彼はつねに苛酷で厳しく、容赦なかった。 どの人物のなかにも欠点を見つけだした。 無慈悲なやり方で人びとを告発するためには、けっして機会を逃さなかった。 何年にもわたって、彼の口から、ほめたり称えたりする言葉が発せられることはなかった。 こういうタイプの指導者は、初期においてかなり成功することが多い。 部下たちが彼に認めてもらおうとして懸命になるからである。 しかし、やがて、そのなかの賢明な者たち、有能な者たちは、 情況を悟って彼のもとを去っていく。 彼のもとに残るのは凡庸な者ばかりとなる。 こうして、しだいに、企業そのものが無能・凡庸のなかに落ち込むことになる。 これこそは、他者の価値を認めることを知らない者たちに共通の運命というべきである。 価値を生みえないという運命。 『他人をほめる人、けなす人』フランチェスコ・アルベローニ・作 大久保昭男・訳 絶対的な価値基準のない、今の世の中において自らが陥ることがないように注意したいと思う。 身近で起こる『人のふり見て、我がふり直せ』を感じます。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月14日 21時24分42秒
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