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カテゴリ:本のひととき
『王佐の心』
「世に、補佐役ほど難しい立場はあるまい」 主君・劉備(りゅうび)玄徳の死後、蜀漢帝国をひきいることになった 諸葛(しょかつ)孔明は、目許に疲労の色をただよわせながら呟いたに違いない。 補佐役-------- 一般には、「主人(トップ)の女房役」と解されてきた。 主人の傍らにあって、あくまで主人の働きを支える「ナンバー2」の役どころ。 通常、「時期ナンバー1」を含む「後継者」や、政敵ながら“二位”に ある人々はこの地位に該当しない。 仮に定義づけるならば、一人の主人(トップ)に限ってあらゆる形でこれを補佐し、 その組織内に在っては誰しもがその主人在任中、「ナンバー2」と 認める人物とでも言えばいいのだろうか。 一国においては、平時の「宰相」、戦時においての「軍師」(参謀長)がこれに当て嵌まる。 ことさら述べるまでもないことだが『論語』の昔から、人を用いる者の心得として、 「倫(そな)わらんことを一人(いちじん)に求むることなし」 (人には各々に長所・短所はあるもので、人を使うにあたっては一人の者に あれもこれもと完全を要求してはならない)との考え方があり 「欠(けつ)を補い遺(い)を拾う」(『後漢書』)とある。 すなわち、主人の欠けている部分を、部下が補うのは当然とされてきた。 「補佐役」は、まさにそれが職責。 それだけに国家機構を含め、あらゆる組織において「ナンバー2」=「補佐役」の 良否はそのまま、その組織の成否・興亡を決することが少なくなかった。 偉大な「補佐役」を得ることで、天下を取った英雄・豪傑が数多くある反面、 「ナンバー2」にめぐまれず、あたら才覚を有しながら、 無念の涙をのんだこと歴史上の人物のなんと多いことか。 あるいは、「補佐役」を信任している間は順風満帆であったが、一度「補佐役」を 失い、とたんに坂道を転がるように滅亡の淵へ追いつめられた英雄・豪傑も少なくない。 【日本補佐役列伝】(興亡を分ける組織人間学) by 加来 耕三 たしかになるほど、歴史上の人物を思い起こせば頷ける・・・・・。 主人(トップ)は女房(補佐役)を信じ、女房(補佐役)は主人(トップ)を支える。 家庭だけでなく、ビジネスやスポーツの世界でも、その役割をお互いがわきまえながら そして、信じあうことが成功する秘訣かもしれない。 はたして僕はそれができているだろうか?いささか不安である。。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月01日 20時35分31秒
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