テーマ:犬・ネコの健康(633)
カテゴリ:★猫に優しい化学の勉強
おまたせしました。「人間編」の続きです。
家庭にある重曹や酢を使った掃除。 万が一コドモの口に入っても OK。「もともと食べ物なんだから♪」ですみます。 その「もともと食べ物なんだから♪」が、市販の商品ではこんなフレーズになるわけですね。 「食品なので、赤ちゃんがなめてしまっても安心です」 ただし重曹やクエン酸の場合、法律上は食品ではなく「食品添加物」なので 「食品添加物なので、赤ちゃんがなめてしまっても安心です」 こうなると「塩酸だって食品添加物ですけど?」ってツッコミもできるので、適切な表現かどうかは「?」ですが…… まぁ、万が一口に入れても病院に駆けこむ必要はありませんもともと食べ物に使うものですからね~と言いたいってことはわかりますね。 さて。 最近は、ペット用品でもこんな表現があります。 「食品添加物なので、ペットがなめても安心です」 こう断言するためには、まず「食品添加物はペットがなめても安心である」という大前提が必要なはずですが…… ネコになめさせたくない食品添加物、たくさんあるんですけど。 塩分豊富な重曹。 マグネシウムたっぷりのニガリ。 「猫で強い急性毒性」というミョウバン。 タマネギ色素も食品添加物です(ネコに有害な成分が含まれるかどうか知りませんが)。 そもそも人間用の食べ物には、ネコに NG なものがたくさんあるのに、人間用の食品添加物がフリーパスなわけないです! それから、どの程度なめても安心なのか。 製品の用途とペットの生態から予想される摂取量を算出した上での「なめても安心」でなきゃ、意味がないと思います。 楽天のペットグッズカテゴリで「なめても安心 食品添加物」で検索したら、197件あるんですけど。
人間のコドモが万が一口にしたときの「なめても安心」。 ネコが日常的になめても OK な「なめても安心」。 これを混同しちゃダメですよ!! 日常的にということは、万が一じゃなくて「万が万」。 「万が一」と「万が万」じゃ、摂取量が 1万倍 違うんですから! エコ掃除等で多用される食品添加物について、消費者の指摘で、「なめても安心」の表記が改善したケースがあります。 昨年ぐらいから、このような文章を見たことはありませんか? ※なお、重曹には塩分が多く含まれるので、腎臓機能の低下しやすいネコへの使用はお勧めしません。 ズバリ、石けん百科さん。「重曹の使い方」のページです。 実は、このブログの「ネコに重曹、大丈夫?」を読んで、アクションを起こしてくださった方がいらっしゃったのです! 楽天ブログのお仲間、Cさん。(お元気ですか~?) Cさんのレポートも、ぜひご紹介したいところですが、レポート中で具体名を出さないように気を使っていらっしゃるので、こちらからリンクするのは控えておきます。 たいへん迅速&良心的な対応だったようで、Cさんにも百科さんにも感謝です! イヌなら塩分を気にしなくていいのかい?ってツッコミの余地はありますが~~ 実は百科さん HP には、以前からこんな説明が載っていました。 「身体の各所に振りかけてブラッシングすると臭いが取れます。ペットが身体を舐めても安心です。」 他のサイトでもまったく同じ文章を見かけます。 共通のルーツがあるのかな?と調べたところ、「かなり以前に旭硝子さんのHPに載っていた資料を参考にして書かれたもの」だという情報をいただきました。 その資料は、もう web からは消えているそうで、原文は確認できませんが、旭硝子さんの現在の HP を見ると、重曹を使ったペット臭対策やドライシャンプーを紹介しているページがいくつかあります。
ということは。
どんな経緯にしても、きちんとしたデータに基づいた「なめても安心」じゃなかったような…… 「身体の各所に振りかけてブラッシングすると臭いが取れます。ペットが身体を舐めても安心です。」 この文章、ググってみると、web上で膨大に(軽く100件以上!)見ることができます。 新しい注意書きはまだ 10件程度です……もっと普及してほしいものです。 (でも無断転載は違法なので、適法な無断利用の一態様の引用の範囲でね~~~) 関連記事:食品添加物その1(人間編)、ネコに重曹、大丈夫?、ミョウバンってネコに毒!? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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