クラシックからコンテンポラリーまで、究極の表現力・全身でのアピールを十分堪能しました。最後には(恒例?の)サプライズ企画があり、これは笑った笑った!夏のひととき、十分楽しみました。
NBS掲載のプログラムを利用して感想です。
第12回世界バレエフェスティバル [ガラ]
8月13日(木)17:00開演 会場:東京文化会館
■第1部■ 17:00~18:00
序曲「戴冠式行進曲」 (ジャコモ・マイヤベーア作曲)
「白鳥の湖」第1幕よりパ・ド・トロワ
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン
☆英国王室にみたてた演出、女性二人が入れ代わり立ち代わり男性の相手方に代わる、そして一人になったときの女性は自己主張しタイミングを見て相手ととってかわる。すさまじい三角関係のもつれです。こんな感じで全幕続くならすごいパワーですね。
「カルメン」
振付:ローラン・プティ/音楽:ジョルジュ・ビゼー
タマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ
☆なにげない振りが実はとてもエロティックで、タマラの誘惑パワーがすごいです。最初、ハバネラで男性(ボネッリ)がソロで踊るのは、オペラ見慣れた私には新鮮でした。
「ダンス組曲」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:J.S.バッハ
ニコラ・ル・リッシュ
☆バッハ無伴奏チェロ組曲に乗り、赤のスウェット上下風を着て、散歩でもするように何気なく歩きだす。ふと見ると技に満ちあふれたダンス。やさしい雰囲気とシャープさを交互に出し、とても満ち足りた感慨を与えてくれる。すばらしいソロでした。今日最初の3回カーテンコールです。
「いにしえの祭り」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:リヒャルト・シュトラウス
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン
☆二人がやった前AB2演目との違いにびっくり、こんなダンスするんですね~おとなの雰囲気がよかった。
「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ /ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス
☆ルテステュは本当の妖精でした。まさに空気のよう、そこにいるのに実体を感じない。指先までの手の表情がすばらしかった。今日2回目の3回カーテンコール。
<休憩20分>
■第2部■ 18:20~19:35
「ジュエルズ」よりダイヤモンド
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ
☆二人のABプロ2演目よりはずっとオーソドックスな感じがしました。
「カンティーク」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ユダヤの伝承音楽
エリザベット・ロス ジル・ロマン
☆ロスは真っ白なフィットしている衣裳が大理石彫像のようで、非常に美しかった。
「グラン・パ・クラシック」
振付:ヴィクトール・グゾフスキー/音楽:ダニエル・オーベール
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル
☆セミオノワの片足トウ移動に感嘆。
「TWO」
振付:ラッセル・マリファント/音楽:アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム
☆ギエムは一メートル四方くらいのライトが暗い枠の中から一歩も出ず、振り上げた手足が空中で枠の外に出た時だけスポットライトがその部分を照らす。ジャンプも回転もしないのに、体の表現だけで迫力醸し出しました。すばらしいの一言につきます!3回目の3回カーテンコールです。
「ソナチネ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:モーリス・ラヴェル
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ
☆ルグリの真骨頂、なんてやわらかくスローモーションのように踊るのでしょう。一見ゆっくりに見えるけど、まさに一コマ毎のていねいなしぐさが、かえって迫力感じさせます。デュポンのかわいらしさもそれで映えた感じです。
「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン
☆言うことなし!シムキンの何気ないふうに飛んだり回転したりしてしまう迫力すばらしいです。そしてコチェトコワもグランフェッテはほとんど2回転づつ回ってました。いやぁ若い二人堪能!本日4回目の3回目カーテンコール、シムキンはものすごいジャンプして答えてくれるサービス迄あり。とにかくすばらしかった!
<休憩15分>
■第3部■ 19:50~20:40
「ラ・シルフィード」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル/音楽:H.S.レーヴェンスヨルド
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ
☆オシポワはキュートで悪戯好きそうで、なんともかわいらしい!そしてサラファーノフは教則本のような基本技の連続をみごとにこなしました、すばらしいです。
「アルミードの館」よりシャムの踊り
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ニコライ・チェレプニン
ティアゴ・ボァディン
☆やっぱりボァディンの今まで見た踊りで一番溌剌としてました。さすがのできばえ。
「マクベス」
振付:ウラジーミル・ワシーリエフ/音楽:キリル・モルチャノフ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ
☆ザハロワは登場した時からレディ・マクベス・オーラを発散してます。彼女の世界に引き込まれてしまいます。マクベスを激励するさまがよかった。
「ロミオとジュリエット」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ
☆レイエスは不安なジュリエットの心情を見事に表してます。そしてそれはカレーニョの完璧なサポートがあるからこそでしょう。今回ねカレーニョはサポートに撤してましたが、それで作りだす二人の心情が本当によく伝わります、すばらしいです。
「じゃじゃ馬馴らし」
振付:ジョン・クランコ/音楽:クルト・ハインツ・シュトルツェ
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ
☆とにかく楽しい!そしてバランキエヴィッチは本領発揮、息をもつかぬジャンプや回転連続に大喝采。やっぱ冒頭いきなり3回転ジャンプ3連続はすごかった!今日5度目の3回カーテンコールでした。
<休憩15分>
■第4部■ 20:55~21:55
「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ
☆Bプロの若手二人に負けていません!サレンコはグランフェッテで、1回・1回・4回を繰り返してました。この二人はすごい技をこなしてそれがシャープさでなくロマンティックで暖かい感じになるのがいいですね。
「三人姉妹」
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス
☆ピアノソロバックに、ヌニェスは本当に哀愁ただよわせ、美しかった!
「ザ・ピクチャー・オブ」
振付:パトリック・ド・バナ/音楽:ヘンリー・パーセル
マニュエル・ルグリ
☆全身で表現するってなんてすばらしいことなんだろうと、感動しました。もちろん3回カーテンコールです。
「ロミオとジュリエット」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
オレリー・デュポン ローラン・イレール
☆ラストの死の場面ですが、この振付や設定の斬新さに息を呑みました。迫力すごい!3回カーテンコールでした。
「春の声」
振付:フレデリック・アシュトン/音楽:ヨハン・シュトラウス
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
☆立った状態そのまま肩の高さにリフトってすごすぎです。3回目カーテンコールでアンコールでやってくれました!コジョカルは相変わらず愛らしい。
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
上野水香 デヴィッド・マッカテリ
☆トウ立ちしたり、最後は盛り上げてくれました。
で、フィナーレの前に佐々木氏現れ、パロディを告知!ジゼルやパリの炎などを男女入れ代わりでやってくれました、いやぁ笑った、楽しかった!
パリの炎は女性が男性舞踊手のジャンプや回転真似しましたが、細い体なのにおみごと!
青い鳥のパ・ド・ドゥでは青い鳥が踊り始めたら猟師に撃たれてしまった。
男性もトウ立ちや女性舞踊手技を真似して笑い誘いましたが、しかしなんといっても見た目が筋肉質なだけで、ポージングはきれいでみごと、さすがです。
フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフス
キー作曲)
指揮:ワレリー・オブジャニコフ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:高岸浩子
チェロ:遠藤真理
結局おわったのは23時近く、第一部の舞踊手たちは、化粧おとして着替えてました。遅いし当然ですね。でも遅くまで本当に楽しめました。
おまけに、12回目・33年目ということで、各列12と33の席の人には記念の出演者名染め抜き手拭いプレゼントに、ラッキーにも当たり、いただいてきてしまいました。
3年後また見にこられたらうれしいです。