会場が明るくなってからも、観客はほとんど帰らず、全員でスタンディングオベーションが続きました。コジョカルが一番の大拍手ですが、でも全員が個人にだけでなく舞台に感動したのだと思います、本当にすばらしい舞台です。
突然のロミオ役交代でありながら、こんなに充実したすばらしいバレエを鑑賞できたことに幸福感で満たされています。
コジョカルのジュリエットは、最初はキャピキャピの10代なのに、3幕では成熟した恋に悩む女性。その変化に圧倒です。
ペネファーザーも同様。単にヤンチャな男の子から雰囲気がガラッと変わっていく。
ロミオとジュリエットの人間性の成長度合いを、こんな短時間でまざまざと感じさせるのはすごいです。
1幕ラスト、バルコニーの有名なシーン。息をつく間もないスピーディーで、しかもコジョカルは海老反り状態連発のリフトに圧巻。コジョカルとペネファーザーのテクニック、そして単純に出会えた喜びにあふれた表現に酔いしれます。
2幕はやっぱマキューシオとティボルトの剣での戦い、そして二人の死が、双方とも見せ所でインパクトあります。表情から動きからもう引き込まれてしまいます。
この二人にベンヴォーリオを加えた三人は、1幕からずっと技の応酬で見ごたえありました。
3幕は、まず寝所でのロミオとジュリエット二人の思いが熱烈に絡み合う濃厚なパ・ド・ドゥに釘づけです。去っていくロミオに対し、なんと名残惜しさを引きづるジュリエットなのでしょうか。
そして墓場の「仮死状態」のジュリエットを相手にリフトしまくるパ・ド・ドゥは息を呑みました。どんな態勢でも脱力していなきゃならないコジョカル、でも全く脱力だとバランスとれないですよね~力入っているようにまったく見えないのですから!もうオペラグラスで凝視続けてしまいました!
テクニックだけでない、表現力もあわせもつことで、アピールした公演です。本当に満足しました。
タマラ・ラホとカルロス・アコスタで最新DVDが出たそうで、この二人にも興味津々ですから、ぜひ買って見てみたいです。
英国ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」本日のキャスト
※本日のロミオ役は、不測の事態によりヨハン・コボーからルパート・ペネファーザーに変更になっております。何とぞ、ご了承ください。
このキャスト変更につきまして、英国ロイヤル・バレエ団芸術監督のモニカ・メイスンより次のメッセージが届いております。
日本の観客の皆様へ
ヨハン・コボーは身内に重病人が出たため、急遽デンマークに帰国せざるを得なくなりました。今晩の公演への出演を控えて、日本を離れなければならなかったのは、彼も大変つらかったようです。どうぞご理解くださいますようお願い申し上げます。
代わって、ルパート・ペネファーザーがロミオ役を演じます。
モニカ・メイスンDBE
英国ロイヤル・バレエ団芸術監督
ジュリエット:アリーナ・コジョカル
ロミオ:ルパート・ペネファーザー
マキューシオ:ホセ・マルティン
ティボルト:ベネット・ガートサイド
ベンヴォーリオ:蔵健太
パリス:ヨハネス・ステパネク
キャピュレット公:クリストファー・サウンダース
キャピュレット夫人:エリザベス・マクゴリアン
エスカラス(ヴェローナ大公):ギャリー・エイヴィス
ロザライン:タラ=ブリギット・バフナニ
乳母:ジェネシア・ロサート
僧ロレンス:アラステア・マリオット
モンタギュー公:アラステア・マリオット
モンタギュー夫人:クリステン・マクナリー
ジュリエットの友人:リャーン・コープ、べサニー・キーティング、イオーナ・ルーツ、エマ=ジェーン・マグワイア、ロマニー・パジャク、サマンサ・レイン
3人の娼婦:ヘレン・クロウフォード、フランチェスカ・フィルピ、ラウラ・モレーラ
マンドリン・ダンス:セルゲイ・ポルーニン、ポール・ケイ、リアム・スカーレット、ミハイル・ストイコ、アンドレイ・ウスペンスキー、ジェームズ・ウィルキー
舞踏会の客、街人たち:英国ロイヤル・バレエ団
指揮:ボリス・グルージン
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
平成22年6月26日
◆上演時間◆
【第1幕】 18:00-19:05
休憩 20分
【第2幕】 19:25-20:00
休憩 20分
【第3幕】 20:20-21:00
東京文化会館大ホールにて