たくＨＡＵＳＥＳ

相変わらず、やさしく慈しむような音色でした。


最初のシューベルト。こんな恋人同士の語らいみたいな曲調だったっけ？と思うような軽快なテンポで、それでいてやさしい気持ちがあふれています。
冬なのにウキウキした感じになってしまいました。


ショパンのソナタは初めて生で聞きました。重く暗くなりがちな曲想を(特に第３楽章の葬送のテーマ)、重厚さもちながら慈しむように弾いていました、すばらしいです。
ノクターンや練習曲も、フジコ特有の舐めるような感じの弾きが、かえって気持ち感情を高めます。


休憩後のバッハは、まるで午後のサロンのような雰囲気。紅茶でも飲みながら聞きたい軽快な気分です。

そしてリストは期待どうりのテンションアップでした。


アンコールに、フジコの中ではダントツ私のお気に入りのテンペストを聞けました、よかった！

初めてフジコのテンペストを生で聞いたときの、ベートーヴェンをこんなに軽やかにやさしく弾いていいんだぁという衝撃は、今でも覚えてます。
あのときの感動は今でも同じです。


満ち足りた気持ちです、今夜は鍋にします(笑)




シューベルト
即興曲 作品90 第3番 変ト長調
楽興の時 作品94 第4番 嬰ハ短調

ショパン
夜想曲 第20番 嬰ハ短調「遺作」
12の練習曲 作品25 第11番 イ短調「木枯らし」
12の練習曲 作品10 第3番 ホ長調「別れの曲」
ピアノソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」

休憩

J.S.バッハ
パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV.825より
「前奏曲」「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」「メヌエット１＆２」「ジーグ」
カンタータBWV.147より「主よ、人の望みの喜びよ」
リスト
「３つの演奏会用練習曲」作品144より 第3番 「ため息」
パガニーニ大練習曲 第6番「主題と変奏」
パガニーニ大練習曲 第3番「ラ・カンパネラ」

アンコール
ラヴェル
亡き王女のためのパヴァーヌ
ベートーヴェン
ピアノソナタ第17番 ニ長調 作品31の2 第3楽章「テンペスト」


平成22年11月28日 東京芸術劇場大ホールにて